スコープニュース – 明らかになったトリグラヴィアン・コレクティブの存在
2018-04-27
CONCORDが公開したこの映像は数日前に撮影されたもので、ラネイルズ星系で漂流していた激しく損傷した艦船を鹵獲する様子が捉えられています。乗組員の安否は発表されていませんが、CONCORD職員が艦内へ乗りこんでから数時間も経たないうちに、同艦はユーライ星系のCONCORD指令執行局本部ステーションへと曳航されました。その後、入港しても問題ないと判断されるまで、約48時間にわたってステーション外で隔離状態に置かれました。艦船の乗組員や建造者については、「トリグラヴィアン」という名前以外はほとんど何も分かっていませんが、同艦には「3」で構成される要素が多く、これが名前と関係しているのではないかと思われます。
ニューエデン各地のスターゲートでは、ここ1ヶ月ほど、傷ついたドリフター艦隊が出没するという奇妙な現象が続きました。ドリフター艦隊は過去に例のない規模で姿を見せ、カプセラからは「デスボール」と呼ばれています。刺激しないかぎり攻撃してくることはありませんが、ドリフター艦は何らかの戦闘で激しいダメージを負っており、誰、あるいは何が彼らをここまで痛めつけたのかが議論の的になりました。
ドリフター研究を牽引するアラタカ研究コンソーシアム(Artaka Research Consortium)は、発見したデスボールをことごとく掃討してきました。必要以上にドリフターズを攻撃する姿勢には賛否両論が寄せられましたが、ドリフター艦隊に何が起きたか推測する手がかりが得られたため、彼らの行動を肯定する向きが強いようです。
ドリフター艦の残骸からは三連データの保管庫が回収されました。データは部分的に破損しており、もとはトリグラヴィアンが所有していたものだと考えられています。アラタカ研究コンソーシアムはデータから断片的な映像を抽出し、それらをつなぎ合わせることに成功。そこには、トリグラヴィアン艦と交戦するドリフターズが記録されていました。こうした研究調査が行われたことや、カプセラからの問い合わせが相次いだため、CONCORDは今回の出来事について公表する判断を下したようです。
鹵獲されてからあまり時間が経っていませんが、トリグラヴィアン艦はCONCORDに多くの情報をもたらしました。「フィラメントデバイス」と名付けられた装置を使用すると、CONCORD深宇宙研究部門のマイヨール教授が「アビサル・デッドスペース」と呼ぶ宙域に、巡洋艦程度の艦船を進入させることができます。マイヨール教授はニューエデン各地の急激なエネルギー発生を観察し、これらが空間と時間において独立したポケット空間、すなわちアビサル・デッドスペースへの進入路になるのだと理論化しました。
この理論を実証するため、エンフォーサー級巡洋艦にフィラメントデバイスを取り付けるという大胆な実験も行われました。デバイスを起動すると、エンフォーサーは無数のアビサル・デッドスペースの1つへ一瞬で吸いこまれました。実験はマイヨール教授の理論を証明するとともに、予想されていたとおり、進入路が調査隊の背後で閉じたことから、緊急事態に陥ったとしても救助される可能性がないことも示しました。
空間内ですぐに判明したのは、ポケットが激しい時空の流れに囲まれているという事実です。ポケットの中心部から離れすぎた艦船は重力によって粉砕されるでしょう。また、ポケット内でも危険な現象が検出されたため、これらの現象に接近する際は、艦船の損傷や破壊を避けるために細心の注意を払って航行する必要があります。
さらに、エンフォーサーはすぐにトリグラヴィアン艦3隻の攻撃を受けました。敵はフリゲートクラスの艦船で、独特のエネルギー球から容易にトリグラヴィアン艦だと識別できました。エネルギー球の正体は「エントロピック・ディスインテグレーター」と呼ばれる武装のエンジン部分です。作動方法が既存のカプセラ兵器とはまったく異なるため、標的にむけて連続的なエネルギービーム射撃を始めるには、一定以上のキャパシタが必要となります。最初の威力はあまり高くありませんが、急速にエネルギーレベルが上昇し、攻撃力が大幅に増加。最大レベルに達すると、既存の同クラス兵器を上回る破壊力を実現するとのことです。
エンフォーサーは敵艦を撃破する前にかなりの被害を受け、この後は通信が散発的になりました。安全な場所へ退避する方法がないため、乗組員たちは前進を余儀なくされ、さらに奥深くへと進みます。一種の移送用ゲートらしきものを通り、少なくとも3つのポケットに到達したようです。
アビサル・デッドスペースに進入してから12分後、エンフォーサーから最後の通信が届きました。彼らは再びトリグラヴィアン艦と交戦しましたが、今度の相手はより強力な大型艦でした。断片的な戦闘記録によれば、調査隊はエントロピック・ディスインテグレーターによるダメージを軽減するため、出力が最大化する前に射程から逃れようと必死に回避機動をとったようです。しかし、ポケット内の安全な場所は限られており、トリグラヴィアン艦から逃れることはできませんでした。敵との距離が縮まり、エントロピック・ディスインテグレーターの最適射程距離に収まるたび、エンフォーサーは信じがたいほどのダメージを受けています。最後は船体中枢が損傷し、1秒と経たずにシグナルが消失しました。
調査データは分析中ですが、エンフォーサーはよく似た環境の3つのポケットに到達したことが判明しています。また、3つ目のポケットで確認されたゲートは、アビサル・デッドスペースに進入した場所へ戻るための安全な帰還ルートになっただろうと考えられています。興味深いことに、ドリフター艦から回収された映像には5種類の環境が記録されており、いまだ確認されていない環境が存在するのは間違いありません。さらに言えば、ドリフターズとトリグラヴィアン艦がアビサル・デッドスペースで交戦する映像が存在するということは、ポケット内でドリフター艦に遭遇する可能性は高いと考えるべきでしょう。
アビサル・デッドスペースの調査では、鹵獲したトリグラヴィアン艦からも見つかっているバイオテクノロジー、「ミュータプラスミド」が検出されました。CONCORDの研究者たちは実験を行い、この物質が既存技術に大きな、しかし予測不可能な影響を与えることを発見しました。最初の実験でミュータプラスミドを標準的なマイクロワープドライブに使用した結果、必要パワーグリッドがやや増加したものの、モジュールの性能は大幅に上昇し、キャパシタ消費量も減少しました。しかし、同じ実験を繰り返したところ、結果はまったく違っていました。性能は低下し、必要パワーグリッドとキャパシタ消費量のどちらも悪化したのです。その後のテストでも、極めて良い結果からどうしようもなくひどい結果まで、ありとあらゆる反応が見られました。モジュールにミュータプラスミドを使用した結果は不可逆的なので、危険な賭けにはなりますが、この物質を大量に回収できれば現代宇宙技術に革命を起こすのは間違いません。
スコープよりアルトン・ハヴェリがお送りしました。
ヘッドラインニュース
・カプセラ代表団がユーライ星系でCONCORD特別ブリーフィングに出席。
・GalNet配信者たちはアビサル・デッドスペースとトリグラヴィアン文明について議論を交わす予定。
・新たに発見されたトリグラヴィアン・コレクティブとドリフターズの紛争はかなりのレベル?
・シスターズ・オブ・イブは人道的支援を理由に、トリグラヴィアン艦の生存者と面会させるよう要求。
・プロジェクト・ディスカバリーの系外惑星探査プログラムが時空異常現象を発見。
・CONCORDの調査はアビサル・デッドスペース内が極めて危険であると報告。
・カプセラはトリグラヴィアンが特異的エネルギー源を制御していると主張。
・アマー帝国はトリグラヴィアン人工知能の噂について会合を開くようCONCORDに要求。
・アビスへ進入できるのはトリグラヴィアンのフィラメント技術を使用した巡洋艦のみ。
・CONCORDによるアビスへの軍事介入は排除された。
・フィラメント技術は時空間トポロジーに新たな道を拓く?
・カルダリ巨大企業は私設艦隊を海軍の指揮系統下で展開。
・意識思考学会はCONCORDがカプセラによるアビス調査を支持するよう希望。
・ミンマター海軍は予備隊を招集。
・CONCORDの専門家はトリグラヴィアン文明を人類起源だと判定。
・ガレンテ海軍はトリップワイヤ計画にもとづく配置を命令。
・三連データ保管庫はトリグラヴィアン由来と思われる未知のスクリプトを記録していた。
・傷ついたドリフター艦隊はトリグラヴィアンとの激戦の生き残り?
・DEDジェネシス艦隊は警戒レベルを動員準備状態に引き上げ。
・カルダリ市場はローグドローンの群れがキモトロ証券取引所を襲ったとの噂を受けて下落。
・ファロス・オブ・テーラはCONCORDインナーサークルによる長年の隠蔽を主張。
・トリグラヴィアン技術にはバイオエンジニアリング的な手法も含まれる模様。
・ユーライ3のコンコード市で暴徒鎮圧部隊が出動したとの噂。