CONCORDが新部門「AEGIS」を設立…宇宙航路を守り、ハイジャック犯と戦う
2018-10-10 19:30 スコープ、リナ・アンバー
ユーライ発-CONCORDは新部門「AEGIS」を設立すると正式に発表した。新部門は宇宙航路の安全確保に特化し、海賊勢力による移乗攻撃の撃退、ハイジャック艦船への突入を行うための権限と能力を与えられる。
ユーライ星系のDED本部で行われた記者会見では、オド・コラチ准将がAEGIS設立の経緯について説明したあと、カシハ・ヴァルカニール大佐を新部門の長として紹介した。
「ケース・グリーンマジックという新たな脅威を受け、インナーサークルは緊急阻止攻撃・警護対応部、すなわちAEGISを新たな作戦部門として設立することを許可しました。シグマ・ニュー・13指令にもとづき、AEGISは独立して活動するインナーサークル直轄部門となります。また、カシハ・ヴァルカニール大佐のAEGIS憲兵司令官着任を発表できることを嬉しく思います」
ヴァルカニール憲兵司令官は説明を引き継ぎ、艦艇失踪事件や星間航路の危険を議論したインナーサークル特別会合の結論について概説した。
「インナーサークルはニューエデンに対する新たな脅威を認識し、これをグリーンマジック問題と命名しました。問題の客観的状況としては、過去12ヶ月間にわたり、完全に失踪する艦船が増加の一途をたどっています。皆さんご存知のとおり、この傾向は最近になってアイドニス財団とシスターズ・オブ・イブによる報告で一般に公表されました。今日、CONCORDは脅威を現実のものと認め、対抗するための行動を開始します」
脅威の規模について尋ねられたヴァルカニール司令官は、いくつかの詳細を明かした。
「これまでのところ、艦艇失踪事件が増加傾向にある宙域は弧を描くように広がっており、ヌルセクと境界を接するローセキュリティ・リージョンに集中しています。主な宙域は星団東部のアリディアから、星団西部のモルデンヒースにかけての範囲です。最近、CONCORDの情報収集拠点と、協力関係にある諜報機関は、ディレリックおよびモルデンヒースで事件が急増したことを察知しました。今まで消息を絶った船のほとんどが民間船だったことを考えると、モルデンヒースで任務中の共和国艦隊艦艇が行方不明になった一件は、状況の悪化を示すものと見ていいでしょう」
艦艇失踪事件の具体的な内容を踏まえて、ヴァルカニール司令官は次のように述べた。
「共和国艦隊の艦艇が今なお行方不明なのは事実です。解析された通信データは、当該艦が襲撃部隊による激しい移乗攻撃を受けたことを明確に示しています。現時点では、CONCORDは襲撃部隊の正体について推測する段階にありません」
「我々が対処する新たな脅威がどんなものなのかお話しさせていただきました」
ヴァルカニール司令官は話を続けた。
「AEGIS憲兵司令官としての私の任務は、失踪事件の調査を重点的かつ継続的に行うこと、友好勢力の捜索救助活動を必要に応じて支援すること、そして最も重要なのが、AEGISの警護能力と反撃能力を養成することです。情報は必要に応じて公開するので、詳細を明かすことはできませんが、この点についてあれこれ釈明しようとは思いません。しかし、宇宙航路の安全性に対する信頼を確保するのがAEGISの役目の一つですから、社会一般にとって重要な情報は今後も提供しつづけます」
スコープは「ケース・グリーンマジック」とAEGIS部門について、今後の展開を引き続き注視していく。