サンドゥ議会がカプセラの支援活動を「侵略」と非難、最後通牒を突きつける
2018-10-12 18:19 スコープ、アルトン・ハヴェリ
リアサトン発-リアサトン6で病気に苦しむ追放者たちから救援要請を受け、ネオピアン連盟(United Neopian Federation)とアラタカ研究コンソーシアム(Arataka Research Consortium)が中心となって市民活動を始めている。彼らは既に惑星軌道上にアストラフス型シタデルを建設し、地上に救護拠点を設置した。
支援活動はきのう午後に始まり、リンパ節の腫れ、頸部の痛み、吐き気、その他の症状を抱えた病人を受け入れた。アイドニス財団関係者によれば、マオ・ジンと追放者たちは伝染病と思われる症状を呈していたものの、カプセラの救護拠点で処置された人々にはそういった症状は見られないとのことだ。
ローラライト・アン・ブレジア(Lauralite Anne Brezia)は活動の代表者として、彼女たちの取り組みは「治療やその他の援助を必要としているすべての人々を助けるのが目的」であり、支援対象はマオ・ジンの集団に限定されないと語った。アイドニス財団は連邦管理局から許可を得ていち早く支援拠点を設置したが、カプセラは医療援助や物資、仮設住宅などを別の大陸で提供している。
リアサトン6軌道上のアストラフス
リアサトン星系の現地議会は緊急会議ののち、次のような声明を発表した。
「テイスおよびフラン議会はリアサトン6からの違法放送を認識した上で、UNF-A、ARC等の国外カプセラ組織がジンメイ国家の領土を侵略しているものと見なす。UNF-A、ARCその他の関係者は、リアサトン6居留地に関する事情を無視しており、当方としては、現地紛争への支援活動はアイドニス財団が実施すると理解している。よって、当方はUNF-A、ARCその他の関係者に対し、リアサトン6での活動をやめ、惑星上の資産を撤収し、さらなる干渉行為に及ばないよう求める。UNF-A、ARCその他の関係者が2週間以内にこれに応じなかった場合、当方はイシエッテ地方裁判所で法的手段に訴える」
スコープの取材に対し、何人かの法律家がコメントを寄せてくれた。テュボール&レニーズ法律事務所のアシル・レニーズの見解は次のとおり。
「この事件はどう転ぶかわかりませんね。カプセラ側は超国家的な存在なので、どこかの裁判所に紐付けられているわけではありません。とはいえジンメイ側も、彼らの土地をどう使おうが彼らの勝手です。カプセラ側の関係者が訴訟に応じ、法的地位にもとづいて反訴するかもしれませんが、憲法問題として最高裁までもつれこむでしょう。最高裁は同様の事例では、連邦構成体が市民の権利を擁護する義務を怠ったと判断しています。しかしイシエッテ行政区であればサンドゥの影響力は絶大です。あのコンステレーションは彼らの支配下にあるのですから」
ケイル大学政治学部教授のフェリセンヌ・オルベナーリ博士は、サンドゥ階級が発した声明は連邦当局とサンドゥ君主の脆弱な関係を表していると話した。
「連邦管理局のような連邦当局は、地方裁判所の許可があって初めて干渉できる程度の法的権限しか有していません。イシエッテ行政区がサンドゥ界隈によってほとんど独占的に支配されている以上、追放者たちは誰も仲介者として頼れないように思えます」
また、あるサンドゥの君主は、匿名を条件に次のように証言した。
「議会が本当に懸念すべき問題は別にある。リアサトン6で疫病が流行っているとしたら、それは隔離が破られたということではないか。この醜聞について騒ぎが大きくなればなるほど、星系の防備に抜け穴があると教えてしまうようなものだ」
市民活動を行っているカプセラ達は今後の計画を詳しく話そうとはしなかったが、彼らの使命をより広範かつ長期的なものにしたいと語った。