テベカ貴族が準軍事組織の奴隷狩りに激怒 悪名高きクーニッド奴隷商人が逮捕される
2019-01-10 14:00 スコープ、アルトン・ハヴェリ
ドメイン、テベカ発-化学兵器テロが引き金となって発生したテベカ3の奴隷反乱は5週目を迎えたが、鎮圧作戦に参加している準軍事組織が混乱を利用し、違法に奴隷を入手しているとの非難の声があがっている。悪名高き奴隷商人オルロン・ザシェフが逮捕されたという一報を受け、テベカ3の貴族たちの怒りはさらに激しさを増した。ザシェフは元ロイヤルウーランズ大佐だが、立証戦争における奴隷狩りと戦争犯罪の疑いで知られた人物である。
およそ1ヶ月前、ブラッドレイダー盟約と思われるテロリストの攻撃に刺激され、複数のアマー惑星で奴隷反乱が起きた。サルム領のアルカブシ4とアーディシャパー領のテベカ3は深刻な状況に陥ったものの、他の惑星は現地の治安部隊によってすみやかに鎮圧された。アルカブシ4でもサルム家の制圧部隊の働きによって反乱規模が縮小し、YC120年末には散発的な反抗行為を残すのみとなった。都市部と主要インフラの安全が確保されたため、アルカブシ4に派遣された帝国軍は撤収、現在は帝国保安省とサルム家の警察軍が事態の対処にあたっている。
テベカ3の混乱はユールフェスティバル期間中も続き、いくつもの準軍事組織やカプセラが交錯した。女帝カティズ1世の勅令を受け、PIEやCVAといった親アマー派カプセラ組織は多くの地上部隊をテベカ3へ降下させており、アマー寄りの民兵組織や傭兵企業も同様に行動している。しかし、ヌマイリヤ大陸を治めるカリル・ヌマイルは、アーディシャパー家やその家臣へ直接仕えていない多数の武装勢力が介入していることに憂慮の意を表している。カリル・ヌマイルはザシェフ逮捕のニュースについてコメントしていないものの、ヌマイル家の宮廷やヌマイリヤ大陸各地の貴族からは、混乱に乗じた違法な奴隷入手行為について不満の声がやむ気配がない。
テベカ3の治安状況が改善し、主要な戦場がダバラ市のみとなった結果、準軍事組織による違法な奴隷入手行為が新たな問題として注目を集めるようになった。こうした行為はアーディシャパー家直属の治安部隊が監視しきれていない、制圧済みの地域で横行している。オルロン・ザシェフがヌマイリヤ大陸ダム・セルテン市のナウオン地区で保安省によって逮捕されると、地元貴族たちの怒りは一気に爆発した。彼らの中には、カプセラや傭兵、外部からやってきた兵士こそが混乱の原因だと糾弾する者もいる。トランスダバラ地方の貴族、カウル・トルサルポルはこんな言葉でカプセラを非難した。
「他所者たちが我々の財産を破壊し、盗み、使用人を攫っています。連中が言うには、『カプセラ貴族』とやらが許可を出したそうです。カプセラはこの混乱を利用しているだけですよ」
ミンマター共和国司法局はオルロン・ザシェフを最重要奴隷商人リストの5位に位置づけており、ユーライ合意の追加規定を根拠として、CONCORDを通じてザシェフの身柄引き渡しを求めている。しかし、帝国法はアマーとその同盟国の軍関係者を強く保護しているため、ザシェフがミンマター側へ引き渡される可能性は極めて低い。さらに、ザシェフの容疑が何であれ、保安省の処置が優先されること、共和国司法局の訴える容疑がCONCORD法規と対応しないこと、アマー・ミンマターの外交的緊張がいまだ続いていることを考えると、可能性はさらに低くなる。
アリム・アーディシャパーはテベカ星系と惑星の所有者として、テベカ3はもはや準軍事組織や補助部隊を必要としておらず、そのような戦力は撤退を始めるべきだとの見解を示した。帝国当局も親アマー派カプセラに対し、テベカ星系の宇宙空間の安全を確保することに専念するよう促している。
宮廷侍従長府のソレム・イサレン枢機卿は次のようなコメントを発表した。
「忠実なカプセラ達がテベカ3へ派遣した援軍は大いに歓迎されたが、今や撤兵の時である。テベカで活動し続けるミンマターテロリスト、異端者、無政府主義者、犯罪者どもは、今後も我々の存在に恐れおののくであろう。カプセラ諸氏には、アマーの敵を宙域から排除することに全力を注いでもらいたい」