ラムネヴが大統領選出馬を宣言 オンバッドはミンマター軍司令部を訪問 ガレンテ外交に注目集まる
2020-01-08 13:14 スコープ、リナ・アンバー
◆シェイリーン・ラムネヴが大統領選出馬を宣言。ヒュエロモント市でカルダリプライムの将来を論じる
エッセンス、ルミネール発-元アルキュリオ市長のシェイリーン・ラムネヴは、YC117年ガレンテ大統領選挙で2番目に多くの票を集めた。その彼女が今日、ヒュエロモント市で記者会見を開き、今年の大統領選挙への立候補を発表。選挙キャンペーンの主要政策としてカルダリプライムの未来について演説した。
「私は、自分がガレンテ連邦大統領候補であることを発表します。愛すべきアルキュリオを訪ね、そして今ここヒュエロモントに立つと、その多様性、寛容さ、逞しさの中で、大いなる連邦の遺産が息づいていることがはっきりと分かります。この偉大な街々が復活を遂げつつあるのは、まさに奇跡以外の何物でもありません。その奇跡を完成させられる、政界で最も高い地位を目指すことを誇りに思います」
「そして今こそ、カルダリプライムの運命が、そこを我が家と呼ぶ人々の手に委ねられるべき時です。ハイランダー作戦後にモードゥ部隊を頼ったことは、リスクを知りながら避けられない選択でしたが、最終的には良い結果につながりました。モードゥ部隊がその名声にふさわしい働きぶりを見せてくれたことに、市民の一人として心から感謝します。しかし、何年もの復興期間を経た今日、私たちカルダリプライム市民は解決されるべき問題ではなく、連邦と星間繁栄に貢献しうる重要なコミュニティだと見なされるべきです。ある問題の解決策を共有するには痛みを分かち合う必要がありますが、そうした心遣いを怠り、隣人たるカルダリとの関係を悪化するままに任せておくなど許されることではありません」
モードゥ部隊は治安維持契約更新を拒否し、カルダリプライムから撤退する意思を明らかにしている。これによる空白にどう対処するか、ラムネヴは長期的解決策を詳しく説明した選挙運動パンフレットを配布した。彼女はすべてのカルダリプライム永住市民から当局者を選び、「惑星監視機関」を設立することを提案している。ラムネヴによれば、この機関は惑星全体の安全保障問題を監督し、ガレンテ系住民とカルダリ系住民のあいだで法律とビジネスに関する仲裁者となるが、内部的な問題については地方政府に完全な自治権を委ねるという。
「私は傷ついた故郷の至るところでコミュニティを見てきました。どのコミュニティも異なっており、一つ一つがユニークで、価値を置くものも違います。しかし、すべてのコミュニティが追い求める共通のものもあります。それは平和、繁栄、幸福です。もし皆が自分だけのために求めるなら、誰もこれらを手にすることができないでしょう。今こそ、皆で一丸となって求める時です。連邦が多くの人々へ一方的に指示を下すとき、決して最高の状態は訪れません。自らのコミュニティの自由と自決にむけて歩む人々を助けるときこそ、連邦は高みに達するのです。政治的同調を求めることなく必要な援助を提供することが、ガレンテ連邦大統領としての私の指針になるでしょう」
スコープの政治アナリストであるレニアート・コルステンは、ラムネヴの演説について次のように評価した。
「独立志向の強いインタキ星系や自治主義のジンメイ人など、連邦全体のコミュニティに強くアピールできる巧みなメッセージでした。彼女の経歴やカルダリプライムの現状を考えれば、演説の内容が白々しく聞こえることもないでしょう。シェイリーン・ラムネヴは今回ふたたび、彼女が有力候補と見なされるべき所以を示したのです」
◆ケレン・オンバッド元老院議員が現地調査のためミンマター軍司令部を訪問
メトロポリス、アモ発-昨夜、ヴェロキュオール系ガレンテ人にしてアルギンタル選出元老院議員でもあるケレン・オンバッドが、ガレンテ・ミンマター関係委員会の「現地調査任務」としてミンマターを訪れ、地域防衛部隊を率いるカント・フィルミア司令官を訪問した。フロセスウィン4防衛を指揮するフィルミア司令官は、アモ星系の部族解放軍ステーションに設置した司令部でオンバッド議員を歓迎し、司令部内部を軽く案内したのち共同記者会見を開いた。
外交と軍事に関するミンマター国内の批判について質問されたフィルミア司令官は、彼自身の意見を明確に回答した。
「マターで物知り顔をしている連中は、内地の安全な場所からサンマターの外交戦略をけなしているが、私はミンマター人の命を救い、サルム軍に捕らわれた人々を取り戻すためのあらゆる行動を支持する。血に酔ったミンマターのカプセラの中には私の部下を怠け者と呼ぶ輩がいるが、そういった戯れ言もはっきり否定しておく。兵士たちはフロセスウィン4の町と人民を奪還しようと奮戦している。私が関心があるのは、人民を解放し、私たちの土地から侵略者と占領者を追い出すことだけだ。私的な利益や個人的な栄光を求めず、ただ戦いを後押ししてくれるすべての政治家とカプセラ達を、私は賞賛する。個人的な意見だが、その他の者は黙って水と安全な暮らしを受け入れておればよいのだ」
オンバッド議員は大統領選に関する質問を無視し、記者たちに外交の重要性を訴えた。
「ここアモを訪れたことで、私はフィルミア司令官が熱い情熱を持つ人間だと知りました。彼の情熱はミンマターの人々、そう、すべてのミンマター人の自由のために戦ってきた、長年の軍務によって裏書きされています。共和国の政治についてコメントするのは私の役目ではありませんが、全体的状況として、軍事力と外交のバランスをとる必要性を深く認識しています。軍事的冒険主義や状況を不安定化させるテロリズムでは、捕らわれた人々は帰ってきません。連邦と共和国の安全を確保しつつ、あらゆる政治的・外交的手段で奴隷制の惨劇を終わらせるのが、現実的な解決手段だと言えるでしょう」
貿易と安全保障に影響力を持つベテランのクルースアル議員、トビアス・イフリートは、フィルミア司令官とオンバッド議員のコメントに素早く反応した。
「フィルミアはかつてミデュラー支持者だったかもしれないが、常にミンマター人のために戦う忠実な戦士だった。私は最大級の敬意を払って彼の意見に耳を傾けたい。だがオンバッドは何も分かっていないただの伊達男にすぎん。我々の軍事行動や秘密作戦を『冒険主義とテロリズム』呼ばわりするとは、よくぞあんな馬鹿なことが言えたものだ。ミンマターの血を引いているという理由だけで、根無し草のアーティストをプロの風見鶏に転職させ、最も重要な同盟国の指導者に据えるのか。そんな考えを良いアイデアだと思っている連中は頭を検査してもらえ。ああそうだ、こいつはヤワで感傷的なミデュラー主義が再現されているだけだ。そんなものが『民主主義』と呼ばれている限り、誰がトップに立とうと大した違いはない。連邦がナンセンスな世迷い言に惑わされない強力なリーダーを得れば最高なんだが」
ガレンテの評論家やメディアは、オンバッド議員のミンマター訪問を比較的肯定的に評価している。だが、ミンマター系ガレンテ人コミュニティでは賛否両論で受け止められており、ローデン支持層のタカ派にもあまり良い印象を与えなかったようだ。
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