選挙特集: ガレンテ各地で大統領選の投票進む
2020-05-09 14:42 スコープ、リナ・アンバー
エッセンス、ルミネール発-ニューエデン標準時5月8日0時0分から全行政区で連邦大統領選挙と連邦元老院議員選挙の投票が始まり、ガレンテ全土で何兆人もの市民が票を投じている。現職のジャックス・ローデン大統領は「2月のテロ事件を繰り返さない」と誓い、各地の重要インフラに対して軍民問わない最高レベルの警備を命じた。
ガレンテプライム連邦共同体大統領選挙に注目が集まっているが、連邦元老院903議席のうち5分の1を選びだす選挙も同時に進んでおり、181の分区で元老院議員を選出するための投票が行われている。現在判明しているかぎりでは投票率は非常に高く、選挙および通信の管理にあたっている当局者は、すべての分区の投票用チャンネルが高い利用率を示していることを明らかにした。
◆世論調査
スコープ選挙取材本部は投票前の世論調査から、今回の大統領選の最有力候補をセレス・アガード・ミエズ星系知事と、シェイリーン・ラムネヴ元アルキュリオ市長に絞りこんだ。インタキ星系を基盤とするスヴィオ・ベラロン元老院議員にも可能性が残されているかもしれないが、プラシッドとエッセンス以外のリージョンでは劣勢なので、かなり厳しいと考えざるをえない。和解を訴えるラムネヴ元市長のメッセージは多くの有権者の心に響いたものの、アガード知事は「団結、安全、多様性」という主張が変わらない人気を集めていると改めて証明してみせた。加えて、アガード知事はソリチュードと連邦のゲートネットワークを直結するという公約を掲げ、ソリチュード住民から大きな支持を集めている。
メンタス・ブラーク連邦情報局長は元老院議長を務めた経験を持ち、自身をガレンテの「繁栄と安全」の顔として積極的にアピールしたにもかかわらず、世論調査では比較的低い支持率にとどまっている。スコープの分析チームはこの現象について、アガード知事に治安改善の実績があり、連邦防衛同盟のユリアヌス・ソテル将軍(Julianus Soter)も対抗馬として選挙キャンペーンを繰り広げたことから、ブラーク局長の安全保障分野の魅力が薄れたのではないかと見ている。ソテル将軍は他の大統領候補と比べて有力ではないが、連邦情報局を率いてきたブラーク局長の経歴も無傷ではなく、タカ派的な主張を支持する有権者が3つに分散したようだ。
コレリ星系のケレン・オンバッド元老院議員は自らの可能性が消えていくのを見守るしかなかった。先月の世論調査によると、これまでオンバッド議員を支持してきたハト派や穏健派の有権者は、ラムネヴ元市長の選挙キャンペーンに惹かれて彼から離れていった。他方、ラムネヴ元市長は労働人民同盟の元老院議員やハト派の重要人物に支持され、大いに勢いを増している。融和的主張が他候補から攻撃されることもあったが、そうした反対キャンペーンはラムネヴ元市長を融和主義の代表者として強調してしまい、かえって彼女の立場を強める結果となった。
◆政党と民族から見る動向
元老院議員選挙で政党と民族がいかに大きな役割を果たすかは周知の事実だが、大統領選挙でもその影響力は絶大だ。ベラロン議員は連邦自由党の支持者のあいだで強く支持されているものの、彼の干渉主義的な考え方はジンメイ社会やマンナー社会で激しい反発を買っている。マンナーでは地方評議会出身のワヤキ・カヤラ議員が大統領選に立候補したが、アガード支持を表明して選挙戦から撤退したため、今や有権者の支持はアガード知事に集中している。また、ガレンテ各地のミンマター系移民はラムネヴ元市長を支持する動きを見せており、オンバッド議員にとっては極めて苦しい展開だ。
ベラロン議員の死刑廃止法案が元老院を通過し、次期大統領の承認ないし拒否を待つばかりになっている問題では、政党と民族にまたがって賛否が二極化している。大部分がブラーク局長を推す新ソシオクラートと、アガード知事を力強く支える進歩連合は、死刑廃止法案に全面的に反対し、次期大統領は法案を拒否すべきだと主張。ジンメイ社会も否定的な姿勢を崩さない一方で、インタキ社会には法案を熱心に支持する有権者が多い。
労働人民同盟と連邦自由党を応援するガレンテ人有権者は、死刑廃止を肯定的に見なす傾向が強い。ソテル将軍は全体的にタカ派の立場をとっているにもかかわらず、死刑廃止に賛同しており、もともと強いとはいえない訴求力をガレンテ・インタキ以外の社会でさらに弱めている。
◆週末の投票は日曜日に終了
2期目を終えようとしているジャックス・ローデン大統領は政争から距離をおいており、これまで政治的盟友だったブラーク局長さえ公認せず、「連邦共同体市民の民主的意思にもとづく、平和的な政権交代の中立な保証人」として行動する意向を示している。週末にかけて行われる投票は、ニューエデン標準時5月11日0時0分に終了し、最終結果は同日深夜に発表されると思われる。次期大統領就任式は5月15日(金)の予定。
スコープ選挙取材本部: リナ・アンバー(ザ・スコープ)、レト・グロリアクス(レト・グロリアクスのギャラクティック・アワー)、オスカー・イルテイン(ビロアガーディアン紙)、サシャラ・キスタン(ルミネールスター・ヘラルド紙)、カバシュ・ティムリィ(レレンブロンプス・センチネル紙)、オリベラ・エン・ザカリ(プラシッドGalNetニュース)
その他のニュース
・フォワリタン委員会は「テロ攻撃に関する予備調査報告」を次期大統領へ「数週間以内に」提出することを目指す
・アリアストラ社がラムネヴ元市長を支援する異例の動き。カルダリ国内での躍進が狙い?
・クァフェ社は選挙関連通信の冗長チャンネルを自社の暗号化ネットワークから提供
・連邦マートが「物理的にもデジタル的にも安全な店舗での投票」をアピール。店舗経由で投票した有権者に1iskクーポンを進呈
・エゴニックス社は人気エゴキャスト番組「エゴポリス」がサブリミナル効果で有権者を操っているとの告発を否定
・最高裁がブレイル行政区の主張を却下、ベベロネル5ではガレンテ警察機構の監督のもと投票実施
・合成ブースター製造業者が「投票日のための補完的神経ブースター」を販売。ガレンテ当局はサーペンティス社とのつながりを調査中
・タモ星系のライダイ施設からLD-X100経頭蓋ナノコントローラー10万個が強奪された事件はガリスタス海賊団の犯行か
・クローン兵によるスカーコン2襲撃を受けて、CBD社がミンマター政府に抗議。スペースレーンパトロール部隊を展開する権利を留保
・クマター・ベリアルシュは、セビエスター部族保安官によるクルースアル、サッカー傭兵の資金源調査を差し止めるよう部族会議に要請
・サンマター・シャコールがカント・フィルミア将軍に「ヘトマン」の地位を与える。フィルミア将軍は指揮下の部隊に「休息日」を命令
・共和国司法局のノラ・アショク将軍、「アマーの侵略に全力で抵抗」するようフロセスウィン4住民に呼びかけ
・アスラン・ウル・クオシュが惑星オリスの領主に任じられる。有力小貴族のクオシュ家は帝室直臣へ昇格