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ギャラクティック・アワー ニュースダイジェスト: トリグラヴィアンの征服とEDENCOMの要塞
2020-06-15 15:15 スコープ、レト・グロリアクス

EDENCOMがニューエデンの要塞化を進める一方で、トリグラヴィアンも勢力圏を広げつつある。「レト・グロリアクスのギャラクティック・アワー」は世界各地のニュースを要約版でお届けする。

トリグラヴィアンによって強力に操作されるサケンタ

◆トリグラヴィアンが4個星系を完全制圧、EDENCOMへの批判強まる

ジェネシス、ユーライ発-トリグラヴィアンに4個星系を制圧され、各国ではEDENCOMの対トリグラヴィアン防衛作戦が激しい批判を浴びている。ララボス星系とベイル星系に続き、サケンタ星系とナルブラ星系までもが陥落したことで、恐怖に襲われたニューエデン市民はEDENCOMの戦略全体に疑問を投げかけている状況だ。

四大国の公式見解はEDENCOMへの全面的支持を崩しておらず、CONCORDインナーサークルもカシハ・ヴァルカニール憲兵司令官がニューエデン共同防衛イニシアチブの指揮を執りつづけると明言している。また、EDENCOMはこれまでの戦いを振り返り、トリグラヴィアンの攻撃を受けながら16個星系を要塞化し、10個以上の星系でも防衛に成功したことを挙げ、要塞化・多層防御戦略が非常な成功を収めていると主張した。

ヴァルカニール司令官は「ニューエデンの文明社会へ忠実に仕え、いくつもの星系と数十億の市民を守るために多大な貢献を果たしたカプセラ」へ向けて、繰り返し個人的な感謝の言葉を述べた。逆に「冷徹な敵の甘い言葉と毒のある嘘に惑わされた裏切り者」に対しては、厳しい非難の言葉をぶつけた。CONCORDとEDENCOMは、ユーライ協定・ユーライ合意の対象となるコロニーや宙間構造物の住民がトリグラヴィアンへ協力・支援することを禁じる指令も発している。

「裏切り者のカプセラ」問題は依然として論争の的だ。親トリグラヴィアン派カプセラの動きを封じようとする試みはあるものの、乗り越えなければならない法的問題が多く、インフラも強力な匿名化・暗号化技術を提供しているうえ、カプセラは超光速通信や輸送ネットワークを自由に使うことができる。独立カプセラが運営するインフラもこの問題をより厄介なものにしており、CONCORD指令の限界をめぐってインナーサークル、通商保護委員会、指令執行局内部で対立が生じているとの情報もある。

恒星の光が弱まったナルブラ4

◆サケンタ、ナルブラ星系の陥落に動揺するカルダリ連合

ニューカルダリプライム発-サケンタ星系とナルブラ星系が陥落したという衝撃的なニュースを受けて、今日、代表取締委員会は緊急会合を開いた。カルダリ軍、EDENCOM、有志カプセラが全力を尽くしたにもかかわらず、2つの星系がトリグラヴィアンによって完全制圧された結果、ひどく動揺した市民が国内各地で抗議行動を起こし、カルダリ連合は混乱状態に陥っている。

サケンタ星系はザ・フォージの一角に位置し、カルダリ中枢にほど近い比較的平和な星系だった。ここでは惑星資源採取や製造業、軍関係の事業が営まれ、荒地惑星には採掘、製造、組み立てに従事する何千ものコロニー、入植地、輸送拠点が存在する。温暖惑星であるサケンタ3とサケンタ5は長年にわたり、同星系における企業活動を支える人口中心地として機能してきた。

ニューカルダリ星系に近く、豊富な資源を有していることもあって、サケンタ星系は八大企業から大きな関心を寄せられていた。さらに、当地の連合軍事学院ステーションが募兵や訓練に大きな役割を果たしていることも加わり、委員会は急ぎ事態を協議しなければならなくなった。ただし、ナルブラ星系の陥落について言えば、同星系は良くない評判が付いて回りがちなミト・コンステレーションに位置し、CBD社とスクーベスタ社によって開発されていたものの、情勢をやや緊迫させる程度の影響にとどまった模様だ。

スクーベスタ社は共にジャストクアスカノーネン・サイッカン・ルオヴァイキャ(ストームピークス・ポリシートラスト)を構成するカーラキオタ社に後押しされ、企業市民を戦時体制へと動員する一般命令を発令するよう委員会に求めた。CBD社と同社が属するPKNインターステラーの構成企業、すなわちライダイ社、ノゴエイハヴィ社も、この異例の措置を支持しているという。ヒャショーダ社とウィルコミ社はより慎重な構えを見せるかもしれないが、両社と友好関係を築き、ミトに巨大な権益を抱えているイシュコネ社が説得する可能性が高いと観測筋は見ている。

トリグラヴィアンの支配下にあるベイル2の街の灯り

◆ベイル星系でパニック続く…避難が進まず数十億人が置き去りに

エッセンス、ベイル発-多くの人口を誇るベイル星系では広い範囲で混乱がつづき、トリグラヴィアンによる完全制圧でパニックに拍車がかかっている。これまで明るく黄色に輝いていたベイルは、トリグラヴィアンの恒星操作によってかなり暗くなっており、現地では農作物の不作や飢餓が恐れられているほか、温暖惑星に恒常的な冬が訪れるのではないかとも心配されている。

ベイル星系は農業だけでなく大半の惑星産業が自給自足している実り豊かな地域だ。だが、星系の守りが崩壊していくあいだ、数十億の住民はほとんど避難することができなかった。ベイル2とベイル6ではマテリアル・アクイジション社、チェマルテック社の宇宙インフラに助けられて数百万人が脱出できたものの、ベイル4とベイル5からはごく僅かな人々しか脱出できず、トリグラヴィアンが星系を封鎖した今となっては、惑星から逃げだすのはあまりにも危険な行為である。

ベイル星系の惑星やコロニーでは超光速通信が維持されており、トリグラヴィアンの支配方針はララボス星系で見られたものと異なっているようだ。トリグラヴィアンが4つの温暖惑星に降下したという確かな情報があるが、降下部隊は敵対的な行動をとっておらず、人口密集地を脅かすような動きも起こしていない。しかし、ベイル2の連邦海兵隊基地が上空に侵入したトリグラヴィアン艦へ発砲したところ、基地はジルニトラ級ドレッドノートの軌道爆撃によって跡形もなく消滅した。

ベイル星系地元当局は惑星防衛部隊に停戦を命じ、「トリグラヴィアンへの敵対的・挑発的行動は避ける」よう指示。ある連邦海軍関係者はベイル当局を「敵を利する臆病者」と非難したが、ユーストロン行政区のフィリドール・キャシエッテ元老院議員は次のように反論した。
「EDENCOMと海軍に見捨てられたベイルの人々に何をしろというのでしょうか? わずか数十両の浮動戦車と民兵のライフルを使って、ドレッドノートと戦えとでも? 現役の軍人が市民を臆病者呼ばわりし、しかも自分は匿名のままジャーナリストに証言するとは、なんとも恥ずかしいことです」

ララボス3、ポート・サルムからの最後の脱出の様子

◆トリグラヴィアンが惑星を掌握、ララボス星系のコロニーは沈黙

ドメイン、ララボス発-通信が保たれているベイル星系とは対照的に、最初に征服されたララボス星系は完全に沈黙している。工業に特化した同星系では、ほとんどのコロニーがミネラル豊富な荒地惑星の地下に設けられており、地元当局は惑星が掌握される前にララボス1、2、3、4の輸送拠点を通じて数百万人を避難させることができた。だが、ララボス9の低所得コロニーはまったく様子が分からず、ララボス8のサルム家氷採掘施設も同様である。

星系内でもっとも開発され植民が進んでいたララボス3は、連絡を絶つ前に何度か状況報告を行った。その報告内容からは、トリグラヴィアンが惑星に降下して地下コロニーを直接占領しようとしていた様子が伺える。また、ララボス3からの通信は「避難活動を強行したポート・サルムの輸送施設が軌道爆撃を受けて破壊された」と報告したが、後にサルム家軍事チャンネルは「ララボス3、ポート・サルムの軌道防衛戦力が無力化され、相当規模の敵が降下。軌道打ち上げ施設を喪失」と発表しており、現地に関する情報に矛盾が生じている。

アマー海軍とサルム家部隊はトリグラヴィアンがララボス星系から進出する可能性に備え、ゼモント、ヴァアマ・コンステレーションに展開中。AEGIS特殊部隊がララボス星系にとどまっているという情報があるが、EDENCOMはコメントを拒否。アップウェル・コンソーシアムもアーコンバインとモードゥ部隊のクローン兵が同星系で活動しているとの報道について詳細を明らかにしなかった。

トリグラヴィアンの変成装置に操作され続けた、変わり果てた姿のララボス

◆CONCORDプロジェクト・ディスカバリーがフローサイトメトリーを導入した市民科学プログラムを開始

CONCORDのプロジェクト・ディスカバリー部門は、宇宙産業施設やコロニーを苦しめている新型コロナウィルスを研究するため、フローサイトメトリー分析に焦点を当てた市民科学プログラムを開始すると発表した。CONCORDはメディアからの質問に答え、病原体とそれによって引き起こされる疾病はキョウノーク感染症とは一切関係ないと断言している。この病気はテイジー星系で発見された奇妙な病原体を原因とする感染症で、YC119年に起きたキョウノーク危機は全ニューエデンを震え上がらせた。

CONCORDバイオセキュリティチームとプロジェクト・ディスカバリーの研究者たちは、予備的な分析結果を踏まえ、比較的急速に拡散した今回の新型ウィルスは数か月前に発生したものだと判断した。ウィルスが急激に広がったのは、昨年から星系と惑星の防備を固めるためにヒトとモノが盛んに行き来したことが主な原因だとされている。ウィルスの具体的な発生源は特定されていないものの、昔から人間の体に存在している多くのウィルスとよく似た特徴を持っているとのことだ。

プロジェクト・ディスカバリーの広報担当者は次のように語っている。
「私たちはウィルスが辺境の惑星で発生したのだと推測しています。防備強化プログラムにたずさわる大勢の労働者が発生源を訪れ、別の場所へと移動したことでウィルスが拡散したのでしょう。しかし、私たちのプロジェクトが重視しているのは発生源や拡散過程ではなく、細胞集団のフローサイトメトリー分析を市民科学へ導入することです。このプロジェクトでケイル大学、ヘディオン大学、シスターズ・オブ・イブ、意識思考学会の研究者たちを支援できればと思います」

CONCORDは新型ウィルスが宇宙産業施設や関連コロニーに広がっている以上、トリグラヴィアンとの戦いに悪影響を及ぼしかねないと憂慮し、迅速に対処すべきだと考えている。一部界隈では、こんなタイミングでウィルスが広まるとは出来すぎた偶然であり、背後で恐るべき陰謀が巡らされているのではないかと疑う声もある。だが、CONCORDの研究者たちはウィルスを重大な脅威だと認めながらも、「控えめに言っても軍事生物兵器として最適とは言いがたく、これまで確認されているトリグラヴィアン生物工学の痕跡もまったく認められない」と話した。

その他のニュース
・スカーコン星系に侵入したトリグラヴィアン偵察部隊は激しい抵抗に遭遇。膠着状態を経て撤退
・EDENCOMがエイグフェ星系に防衛拠点を確立し、トリグラヴィアンはエイグフェ3とエイグフェ5の橋頭堡から撤退
・AEGIS兵がパルモン星系採掘コロニーで即決処刑を実行したとの報道。EDENCOMは否定
・ローグドローンがアップウェル施設を襲撃。CDIAはスウォームがトリグラヴィアンの制御下にあると分析
・トリグラヴィアンによるアマー領への攻撃つづく。数千人の貴族が対策を求めて皇宮へ請願
・枢密院は全貴族が軍管区元帥の直接指揮化に入るよう命令
・複数の神学者が教書「2本の剣」に疑問を呈し、保安省に逮捕される
・アガード大統領が戦争権限指令に署名、ガレンテは退役予備兵を動員
・連邦記念日の祝祭始まる。今年は軍備強化と募兵推進を強調
・連邦構成体は3個星系の民兵部隊と惑星防衛部隊を正式に承認
・サンマター・シャコールがクリル・イフリートをスカーコン星系の執政クマターに任命
・RSSがスカーコン2の「エンジェルカルテルと奴隷使役者に協力した者」数百人に逮捕状を発行
・クマター・イフリートが「奴隷使いの傭兵を排除するため」CBD社、エイフィル社、スカーコン諸氏族と協議
・スカーコン諸氏族事業者協会は「クマター・イフリートを全面的に支持する」と宣言
・地元メディアによると、カービ8を襲撃したヴィモクシャ・コーラスが「アーディシャパー・サッカー共同艦隊」に撃退された模様
・ブリークランドでブラッドレイダーの襲撃増加。サルム家は「邪悪な狂信者が侵略者を援護している」と非難
・サーペンティス社が星系・惑星防衛部隊のガレンテ民兵へ軍用規格ブースターを提供
・ガリスタス海賊団が非難声明を発表。「トリグラヴィアンに味方する反抗的カプセラは自由企業制とテロリズムの区別がついていない」
・速報: CEPでの投票により、カルダリ巨大企業は全企業市民の戦時体制動員を決定
・速報: 八大企業市民の全面動員はルミネール進駐以来
・速報: 巨大企業の治安部隊が抗議中の市民へ軍務につくよう命令
速報! 速報! 速報!
・CONCORD紛争監視局はフロセスウィン4においてミンマター軍の全面攻勢を確認
・フロセスウィン4のアマー占領地でレジスタンスが一斉蜂起
・多数の弾道ミサイル・迎撃ミサイル発射を検出
・ミンマター軍はジョラン・クラール市を迂回。ポート・クルのサルム家司令部に攻撃を集中
・南部大陸沿岸部で親ミンマター派傭兵部隊が大規模な降下・上陸作戦を実施。紛争監視局が確認

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