ギャラクティック・アワー ニュースダイジェスト: アマー・カルダリ通商航路を脅かすトリグラヴィアンのナイアルジャ侵略
2020-08-17 19:25 スコープ、レト・グロリアクス
トリグラヴィアン・コレクティブがアマー帝国とカルダリ連合をつなぐ要衝、ナイアルジャ星系を侵略している。「レト・グロリアクスのギャラクティック・アワー」は世界各地のニュースを要約版でお届けする。
◆トリグラヴィアンがアマー・カルダリ国境のナイアルジャ星系を侵略
ドメイン、ナイアルジャ発-ニューエデン各地に新たな攻勢をしかけているトリグラヴィアンは、次なる標的としてナイアルジャ星系に侵入した。EDENCOMのカシハ・ヴァルカニール憲兵司令官はナイアルジャ防衛を「EDENCOM部隊の最優先目標」に設定し、CONCORDインナーサークルもアマー・カルダリ間の主要航路を維持することは「ニューエデンの文明社会」にとって極めて重要であると宣言した。
YC122年8月17日早朝、トリグラヴィアンはナイアルジャ星系への侵略を開始した。アマー帝国とカルダリ連合を結ぶ星系に対する攻撃は、同盟関係にある両国にとって明らかな脅威だった。現在カルダリ軍はツヌダン星系のトリグラヴィアンを相手に激しい防衛戦を繰り広げているものの、この新たな状況に対応するため、一部部隊がナイアルジャ星系に隣接するカープテネン星系へと再配置された。
ナイアルジャ星系はアマー・ジタ間の貿易ルート上に存在し、アマー領とカルダリ領を直接つなぐ唯一の星系である。この星系の重要性はどんなに強調してもしすぎることはない。もし陥落するようなことになれば、歴史的に協力関係にある二国の経済は深刻な影響を受けるだろう。四大国がEDENCOMとしてトリグラヴィアンに立ち向かっている関係上、ガレンテ連邦とミンマター共和国までもがナイアルジャ防衛を戦略的優先目標だと見なしている。
仮にナイアルジャ星系が陥落した場合、アマーの国内情勢に関していえば、サルム家がさらなる打撃を受けることになるだろう。最近のサルム家はララボス星系とハルバ星系を失ったうえ、フロセスウィン4の地上戦でも撤退に追いこまれている。その一方で、彼らはドメイン北部、ディボイド、ブリークランドという広大な領地を守りながら、アマー・ミンマター紛争宙域で作戦を続けており、麾下の戦力にかなりの負担がかかっている状況だ。ただし、サルム家がまったく勝利を収めていないというわけではない。コパ星系での勝利と要塞化は記憶に新しく、歴史ある武門としての立場を改めて知らしめる結果となった。
トリグラヴィアンの攻勢が熾烈さを増すなか、EDENCOMとCONCORDは「全人類の文明」を守るため、あくまでニューエデンの全星系を防衛対象とする姿勢を崩していない。だが、表向きそのような姿勢をとっているにもかかわらず、DEDやEDENCOM関係者は拡大の一途をたどる侵略規模に不安の声を漏らしており、四大国領を守るために統一的に採用されている「現存艦隊主義」に疑問を呈する向きもある。
◆EDENCOM・カプセラ連合軍が侵略部隊を撃退、アーシャト星系要塞化に成功
ドメイン、アーシャト発-「人類社会に忠実」なカプセラ有志連合に支援されたEDENCOM部隊が、アーシャト星系を防衛するアマー軍の救援に成功した。ヴァルカニール司令官は「トリグラヴィアンを『第一リミナリティ』から押し返し、最終的に星系から撃退するという英雄的かつ記念碑的偉業を成しとげた」として、アーシャト星系での戦いを激賞した。
アーシャト防衛戦はトリグラヴィアンが「リミナリティ」を失った最初の戦いとなり、EDENCOMはその優勢な戦況を利用して星系を確保、要塞化することができた。アーディシャパー家当主アリム・アーディシャパーも「トリグラヴィアンという怪物、人ならざる脅威に対抗するためイデオロギーの違いを乗り越えた、人類社会に忠実なカプセラ達」の奮戦を称賛している。
ドメイン南部に存在するアーシャト星系はアーディシャパー軍管区の管理下にあり、今回の勝利がアーディシャパー家の軍事的威信をさらに高めるのは間違いない。同家は信仰、秩序、安定の道しるべとしてアマー国民から支持されているが、昨年トリグラヴィアンが繰り返し攻撃をしかけてきた時点でディレリックの堅牢な防御を見せつけており、アマー政治の専門家は以前からアーディシャパー家の軍事力増強に注目していた。
◆EDENCOMとミンマター軍がアンバルド星系を制圧、共和国の善戦つづく
メトロポリス、アンバルド発-アンバルド星系が要塞化され、ミンマター海軍、EDENCOM、そして有志カプセラが防衛戦に勝利した。今回の戦勝によって、ミンマター領で完全に要塞化された星系は4個、別途EDENCOMが勝利を宣言した星系は3個をかぞえ、他のいくつかの星系でもトリグラヴィアンの侵略が一定規模に抑えこまれている。
トリグラヴィアンは現在までにミンマター宙域で3つの局地的勝利を収めたが、完全制圧には至っておらず、あくまで宇宙空間での優勢を確保しているにすぎない。ミンマター共和国では侵略の影響は比較的小さく、アマーやガレンテより領土がかなり小さいことが幸いしているようだ。
ミンマター海軍が「侵略には迅速に反撃する」という効果的な方針を追及していることも大きい。軍事専門家は侵略を見越して準備された戦略と部隊展開に注目し、「他国とくらべて練度が非常に高く、彼らの戦闘教義も指向性エネルギー兵器・重装甲を持つ敵と相性がよい」と指摘している。
ミンマターは対トリグラヴィアン戦で善戦しつづけ、幸運にも恵まれている一方で、国内ではEDENCOMの役割や要塞化星系の管理について議論が紛糾している。ニューエデン共同防衛イニシアチブの基礎をなす相互防衛協定はEDENCOMによる星系要塞化を認めており、その戦略は実践されている。しかし、EDENCOMではアマー・カルダリの多くの軍事・諜報関係者が重要な地位についており、この点がミンマターに大きな懸念を抱かせている。
要塞化戦略は「アマーとその同盟国カルダリによる遠回しな侵略行為である」という主張は、国防分野で影響力を持つカラク・サークルが最近の報告書で取り上げたように、ミンマターの政治談義ではますます一般的な話題になりつつある。部族会議とサンマター・マレアツ・シャコールはこの疑惑についてコメントせず、EDENCOMとの協働関係を推進しているものの、共和国司法局はEDENCOMとその存在感がミンマターで強まっていることに不信感を露わにしている。司法局と政治的立場を同じくするカラク・サークルや反奴隷制・解放ネットワークともなると、より露骨にEDENCOMを警戒している状況だ。
◆止まらない星系喪失…カルダリの混乱つづく
ニューカルダリプライム発-トリグラヴィアンにより大きな被害を受けているカルダリ連合では、経済状態の悪化に歯止めがかからず、回復傾向にあった軍需産業関連の株価もナイアルジャ星系が侵略されたことで反発した。ほとんどの巨大企業の幹部はカルダリ海軍の指導力を公然と批判しており、代表取締委員会には海軍を再編するどころか、完全に企業部隊の指揮下に置くよう求める意見まで寄せられている。
市民や労働者もメッセージチャンネルやホロネットルーム、さらには職場や街頭で激しい抗議をつづけている。最近陥落したキノ、オテラ、オタヌオミ、コノラ星系は工業に特化し、都市部のような多くの人口を持つわけではないが、経済的政治的影響は甚大だ。一部星系は非戦闘員を避難させるために多大な努力を払い、特に有志カプセラによるワールドアークへの反撃が貴重な時間を稼いだものの、各種資源や入植地を失ったことは計り知れない打撃になるだろう。
また、いかに人口が少なく避難が成功したとはいえ、深刻な被害を受けた人々は数十億人にのぼり、カルダリ市民にのしかかる心理的影響は絶大である。全体的に見れば、トリグラヴィアンの脅威に断固対抗しようという戦争ムードが維持されているが、上級管理職が国防上の失敗を犯したのではないかと疑問視する向きも強まっている。管理職階級の汚職やそれに対する抗議についておおっぴらに話される機会も増えてきた。各企業の治安部隊はトリグラヴィアンとの戦いのために手薄になっており、大半の部隊は自制するよう命じられているらしく、市民のあいだでは指導部への反対意見を公にするムードが強まっている。
さらなる星系喪失が危険なレベルの社会不安につながりかねない雰囲気のなか、現在カルダリはアーティラ、ツヌダン星系防衛に力を注いでいる。
その他のニュース
・600人近いカプセラがナイアルジャ星系で活動中。重要通商航路をめぐる激戦つづく
・トリグラヴィアンが新たにアーティラ、ハイアミア、オーフロルド星系を侵略開始
・アンジーモン、アーチー星系からの情報によると、トリグラヴィアンは占領活動を強化している模様
・艦艇を改修したカルダリ海軍、依然として企業部隊と管理職階級からの激しい批判にさらされる
・EDENCOM指揮下に出向したカルダリ艦について、代表取締委員会は改修結果を評価するよう指示
・ガリスタスが迎撃を受けることなくタモ5第2衛星の施設を襲撃。現地に情報統制が敷かれる
・タモ星系での迎撃失敗の責任をめぐり、ライダイ警備サービスとイシュコネウォッチが対立
・アガード大統領が行政区主都の視察ツアー開始。新兵募集と軍備強化を訴える
・視察ツアーに随行する側近と護衛が多すぎると批判の声あがる。新ソシオクラートはニクスを使った移動を攻撃
・元老院通信インフラ小委員会、フォワリタン委員会の調査が遅すぎると不満を述べる
・ローデン元大統領、ガレンテ・カルダリ重工業関係者と会談するため特使としてステティル星系を訪問
・アマー海軍と皇家艦隊がカメイラ部隊を総動員。領土防衛の隙間をうめるため懲罰大隊も動員
・枢密院が現役囚人を用いた懲罰部隊編成を命令。今後判決を受けた犯罪者にも兵役を義務付け
・宗教評議会が女帝の勅令を布告。小貴族にカメイラ兵と兵役奴隷を提供するよう命じる
・フィルミア将軍がクーニッドの狂信的なシカール部隊を殲滅したと報告。フロセスウィン4ジャングル地帯の基地を掃討
・アラル・チャーケイド公爵は依然として所在不明。ロイラルウーランズ残存部隊の行方も分からず
・フロセスウィン4のビクトル・マザリ将軍に対する懸賞金が2500万UBQに増加。チャーケイドには5000万UBQ
・共和国保安局がスカーコン2で「エンジェルカルテルの奴隷売買業者」を排除。逮捕者の情報なし
・クマター・イフリートがCBD社スペースレーンパトロールの「ミンマター治安部隊との重要かつ見事な連携」を称賛
・スカーコン2反体制派「クマター政府が指示した即時処刑の対象が違法戦闘用クローンにとどまらなくなってきている」
・共和国保安局が「スカーコン2の人権侵害と過剰な治安維持」について調査開始