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ギャラクティック・アワー ニュースダイジェスト: スカーコン星系の激戦と陥落
2020-09-17 21:11 スコープ、レト・グロリアクス

トリグラヴィアンの猛攻によってスカーコン星系が陥落、さらにEDENCOMはすべての被占領星系の住民に対して緊急避難するよう警告している。「レト・グロリアクスのギャラクティック・アワー」は世界各地のニュースをお届けする。

激戦の残骸がただようなか、スカーコン星系の恒星操作施設が稼働しはじめた

◆スカーコン陥落。トリグラヴィアンが初めてミンマター領を征服

モルデンヒース、スカーコン発-EDENCOMとミンマター海軍の敢闘むなしく、ミンマター共和国モルデンヒースのスカーコン星系がトリグラヴィアンによって征服された。EDENCOM支持派と親トリグラヴィアン派のカプセラは2日間にわたって戦いつづけ、多数の主力艦が投入される激戦も繰り広げられた。

EDENCOM正規部隊とミンマター海軍は侵略者に激しく抵抗し、特に「スターハーベスター」とあだ名される「ダージ・ポレヴィティウム変成装置」が設置される際の戦いは熾烈だった。ミンマター海軍はなんとかトリグラヴィアンを撃退しようとしたものの、共和国中心部から遠く離れたスカーコン星系という地理的要因に苦しむことになった。利用できる主力艦の数は多いとは言えず、地域防衛部隊とミンマター海軍の主力艦群は防衛目標をスカーコン2に絞りこみ、防備強化を必死に援護しながら住民の避難を急がせた。

スカーコン星系を集中攻撃したトリグラヴィアン艦隊は、現在は「最終リミナリティ」星系で一般的に見られる補助インフラの設置と、変成装置を全力稼働状態へ移行させることに集中しているようだ。スカーコン5にある採掘・精製コロニーのセンサーはトリグラヴィアン艦の散発的な活動を捉えているが、コロニーからの避難は滞りなく進んでいる。

サンマター・マレアツ・シャコールと部族会議はモルデンヒース全体の地域防衛部隊とミンマター海軍に対し、トリグラヴィアン迎撃任務から外れることのできる全部隊は、スカーコン星系で実行しうるすべての避難活動を支援するよう命じた。また、部族会議はクマター・クリル・イフリート率いる地方政府に対し、惑星や政府管理下のコロニーで戦時非常事態にもとづく非常態勢をとることを許可。サンマター・シャコールはさらに、EDENCOMがスカーコン2の防備強化とトリグラヴィアン迎撃を支援することを認めた。

スカーコン2軌道上でトリグラヴィアンと交戦するミンマター海軍

◆研究チームが恒星操作施設を分析、EDENCOMはトリグラヴィアン占領下の惑星からただちに避難するよう緊急警告

ドメイン、アーシャト発-EDENCOM司令部はトリグラヴィアン・コレクティブに完全制圧された星系、いわゆる最終リミナリティ星系に存在する「あらゆる天体、コロニー、ステーション、構造物」の住民に対し、「緊急避難勧告」を発令した。新たな通知は勧告レベルが「強力」から「緊急」に引き上げられ、あらゆる宇宙産業インフラが対象となっている。

カシハ・ヴァルカニール憲兵司令官は、アーシャト星系で確保された「ダージ・ポレヴィティウム変成装置」を分析した研究チームとの会合を経て、勧告レベルの引き上げと範囲拡大を許可した模様だ。各国の科学者で構成された国際タスクフォースは厳重に警備された恒星観測拠点で研究を行い、変成装置がどのような影響をもたらすか評価するために装置内でも作業を行っている。

アーシャト星系の変成装置は可能なかぎり出力を落として稼働中。研究チームは分析をつづけるため、また予期せぬ結果を回避するため、「恒星操作ビーム」を停止することは避けている。彼らによると、低出力のビームは恒星アーシャトに「最小限の影響」を与えており、「ゼロポイントエネルギー・エンタングラーの大規模配列を欠いているため、変成装置の機能は制限されている」という。

ヴァルカニール司令官と研究チームの会合は機密とされ、詳しい内容は公開されていない。しかし、EDENCOMとCONCORDの関係者の話を聞くかぎり、トリグラヴィアンが恒星を改造している星系に終局がおとずれるのではないかという懸念が著しく高まっているようだ。

アーシャト星系で低出力稼働中の変成装置を見守る恒星観測拠点

◆迫る惑星侵攻…スカーコン2は「完全な混乱状態」

モルデンヒース、スカーコン発-共和国政府とクマター政府は秩序を維持しようと努めているが、スカーコン2の特派員は現地が「完全な混乱状態」だと表現した。辺境の国境地帯にしては人口の多いスカーコン2には多くの人口を抱える都市がいくつもあり、惑星全体に工業コロニーが散在している。また、エンジェルカルテルと半非合法企業クルレファー・オーガニゼーションの縄張り争いが大規模なゲリラ戦へと発展し、紛争レベルの地上戦が1年以上つづいている。惑星の運命をめぐるこの戦いは、カルダリ巨大企業、大手傭兵企業、カプセラ、クローン兵など、様々な関係者を抱えて複雑な展開をたどってきた。

部族会議はスカーコン2当局を「絶望的なまでに腐敗している」と見なし、クマター・クリル・イフリートを行政官に任命。彼の「反逆行為とテロリスト活動を鎮圧する専門知識」を現地にもたらそうとした。この任を引き受けたクマター・イフリートは、クルレファー社とセイカル氏族の傭兵をスカーコン2の「統一部族保安部隊」に採用するなど様々な措置をとった。最近もセイカル遠征部隊の大部隊が降下し、スカーコン地域防衛部隊、共和国保安局特別部隊、親ミンマター派PMCから成る政府軍を強化したばかりだった。

この政府軍を相手に戦っているのが独立系のクローン兵・カプセラ連合である。彼らは共和国保安局、サッカー系犯罪氏族、PKNインターステラー・コンソーシアム系列のカルダリ巨大企業が手を組み、スカーコン星系を支配するつもりだと訴えている。彼らが言うには、スカーコン星系を拠点にモルデンヒースの高収益航路と密輸ルートを牛耳るのが陰謀の目的だ。

クマター・イフリートの地方政府はこの主張について、「彼らの愚かさを自ら証明している」と一蹴し、独立クローン兵がエンジェルカルテルや親アマー派カプセラと協力した事実を指摘している。さらにクマターは、クローン兵が親トリグラヴィアン派テロ組織や反抗的カプセラと協力関係にあることを示す証拠として、傍受した通信データを公開した。

「『独立クローン兵』と呼ばれる連中は相手を選ばず、スカーコンの人々を支配することを欲するあらゆる勢力に接近している。事ここに至って、あの歪んだトランスヒューマニストの虐殺者たちはトリグラヴィアンと行動しなければならなくなったのだ。今に始まったことではないが、まったくお似合いの組み合わせだと言える。我々としては、あの連中がこのまま留まって死ぬも良し、この星を出て行くも良しだ。しかし、スカーコン住民を一人でも惑星外に連れ出そうとしたら、紛争を隠れ蓑にして奴隷狩りを行ったと判断する」

この発言に先立ち、クマター・イフリートはAEGISコマンド部隊、SARO対クローン兵部隊「レッド・トループ」と会合し、スカーコン2での活動の自由を認めた。地上の市民たちがトリグラヴィアンの惑星侵攻を恐れ、避難船が絶え間なく飛びかっている一方で、数千人の兵士たちは惑星の支配権を賭けた戦いに備えている。

「トータリティが近づいている」と放送するトリグラヴィアンの代弁者、ゾリヤ・トリグラフ

◆速報: ゾリヤ・トリグラフがセミオシス・コンソールを通じてカイバーノート達へメッセージを放送

モルデンヒース、スカーコン発-複数のカプセラから寄せられた情報によると、トリグラヴィアン・コレクティブの代弁者であるゾリヤ・トリグラフがセミオシス・コンソールを通じて放送を行い、「トータリティが近づいている」というメッセージを発した。メッセージはGalNet上で広く公開されており、多くのカプセラはトリグラヴィアンの侵略が最終目標に近づきつつあると解釈している。EDENCOM情報部はメッセージ自体はもちろんのこと、その内容がGalNetその他の通信ネットワークへ無秩序に拡散されている事態にも深く憂慮している模様だ。

その他のニュース
・カルダリ当局と巨大企業が軍事改革を継続。「法と義務と秩序の回復」を求める
・新たな星系喪失は無いがカルダリ市民の抗議活動つづく…被占領星系の住民を懸念する声強まる
・ガリスタス海賊団がトリグラヴィアン占領星系で避難・救援活動を実施。指導部は「海賊行為ではなく住民保護」を命令
・クハラー1地下コロニーとの連絡途絶、アマター自治領はクハラー7、8の避難完了を発表
・トリグラヴィアンがイグネベナー5の人口密集地を占領。イグネベナー3、6の科学研究コロニーは避難完了
・サーペンティス社がインタキ宇宙警察ならびにガレンテ税関と協定締結。サーペンティス艦が避難・救援活動へ参加可能に
・EDENCOMとガレンテ連邦がベイル星系からの通信に対する情報統制実施に合意。「トリグラヴィアンによる破壊工作に利用される可能性が容認できないほど高い」
・サケンタ3の抵抗勢力が「トリグラヴィアン同調者に浸透」されて崩壊した模様。サケンタ5の状況は不明
・アルバサラス、カウノッカ、コモ、ナルブラ、ベイル星系などの被占領星系でトリグラヴィアンが「生物学的処置」を行った模様
・親トリグラヴィアン派組織は最終リミナリティ星系の住民が「フローに加わり己を証明する手段を与えられた」と主張
・EDENCOM司令部は親トリグラヴィアン派の主張を「市民へのグロテスクな残虐行為を隠蔽する不快で陰湿なプロパガンダ」と一蹴

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