M2-XFE星系の戦いについて
2021-01-05 – BY EVE ONLINE DEVELOPMENT TEAM
1月2日土曜日、数か月にわたってヌルセク戦争を戦っている両陣営がM2-XFE星系に集結し、何度目かの大艦隊戦に臨みました。この戦いは2日前に起こったニューエデン史上最大のタイタン決戦の第2ラウンドになるはずでした。しかし、実際の戦いは人々が期待したような展開にはなりませんでした。攻撃側の大部分がゲームを正常にプレイできず、壊滅的な敗北を喫してしまったのです。
◆前例なき戦争、前例なき戦闘
現在ニューエデンで起きている戦争では、EVEの歴史においてもっとも大規模かつ壮絶な戦いが繰り広げられてきました。今回の戦争はすでに二つのギネス世界記録を樹立していますが、「一回の戦闘で破壊された戦艦の数」「一回の戦闘で破壊されたタイタンの数」など、他のさまざまな点でもEVEの記録を塗りかえています。
M2-XFE星系における2回目の戦闘は、こうした前例のない規模の戦いがさらに一段階進化したものでした。主な舞台となったのはデルヴの三つの星系、すなわち防御側が集結した1DQ1-A星系、攻撃側が集結したT5ZI-S星系、戦闘が行われたM2-XFE星系です。各星系が記録した最大同時滞在者数は1DQ1-A星系が4,226人、T5ZI-S星系が6,723人、M2-XFE星系が6,739人となり、FWST-8の大攻防戦で記録した6,557人を上回る人数に達しました。私たちはサーバーノードを強化したものの、ニューエデン標準時23:23頃には合計13,770人ものプレイヤーがこれらの星系に集中。つまり、EVEにログインしていた全プレイヤーの約35%がたった三つの星系に集まったのです。
これは比類なき数字です。そしてニューエデンで比類なき数字が登場したときは、サーバーパフォーマンスも未知の領域に突入します。戦争当事者のどちらの陣営も、いえそれどころか私たちCCPでさえ、サーバーがこのような状況をどれだけ処理できるのか予測できませんでした。
◆戦闘中と戦闘後の奇妙な現象
攻撃側集結地、防衛側集結地、そして戦場。これら三つのノードのうち、5~6,000人のプレイヤーを抱えていたT5ZI-S星系とM2-XFE星系に特に激しい負荷がかかりました。パイロットたちがこれらの星系のあいだをジャンプしようとしたところ、彼らは奇妙な現象に遭遇し、ゲームが正常に反応しなくなりました。これは負荷の高い星系で大量の行動を起こしたために生じた、単純ながら厳しい結果でした。
プレイヤーたちは戦闘中も戦闘後も通常であれば起こらないことを経験しました。船は消えたと思えばまた現れ、ジャンプトンネルを通過しても目的地に到着しませんでした。その場に実在しない船を撃沈した「ゴーストキルメール」が生成されたり、焼け残ったモジュールと残骸がM2-XFE星系を漂っているにもかかわらず、まったく無傷の船がT5ZI-S星系に残っているという増殖現象が起きたりしました。とりわけ多かったのは、ジャンプしたタイタンが目的地ではなく出発地に戻されてしまう現象でした。
ここ10年ほどは大規模戦の規模の拡大がゆるやかだったので、近年こうした異常現象の多くは発生していませんでした。(一部のベテランは過去の例を覚えていると思いますが) しかし、今回の戦いはこれまでのニューエデンの大規模戦をはるかに凌駕する規模でした。もし仮にプレイヤー全員がM2-XFE星系に進入できていたら、現在のギネス世界記録のほぼ2倍に相当する約12,000人が参戦することになっていたのです。
◆星系への進入と「人口上限」
「M2-XFE星系の人口上限」について現在も議論が交わされていますが、ゲーム内では時間拡張システムが発動するのを防ぐためにジタ星系のみ人口上限が設定されています。M2-XFE星系には人口上限は設定されていません。
これは人口上限が設定されている星系の一覧ですが、見てのとおり、そこにある名前は一つだけです。
プレイヤーがEVEクライアントの通信ログで目にした文字列は、日常的に発生している一般的な通信の一部です。クライアントはプレイヤーがジャンプ、あるいはログインする際、目的地の星系に人口上限が存在するか問い合わせるようになっています。今回は星系に激しい負荷がかかっていたため、クライアントはサーバーから反応を得ることができませんでした。(なお、クライアントがサーバーに問い合わせている項目は人口上限だけではありません)
もっとも、人口上限が存在しないとはいえ、プレイヤーが星系へ入るのに苦労したのは事実です。これは戦闘の規模があまりに大きすぎたがゆえの不幸な事態でした。予期せぬ出来事がいくつも起きた結果、多くのプレイヤーが強い不満を感じているのはもっともな話だと思います。
また、十分時間をかければすべてのプレイヤーが星系に入れたのではないかという議論もあります。前例のない状況ですので、これに関してはどのような結論であっても推論の域を出ません。ただし、ジャンプが終わるのを待ちつづけたプレイヤーが最終的に目的地ではなく出発地に戻されたという報告も受けています。
◆補償について
CCPの通常方針に従い、カスタマーサポートはいかなる損失も補償しません。プレイヤーを別の星系へ移すこともありません。艦隊戦には介入しないというのが私たちの方針であり、これは今回の戦争でも両陣営から支持されていたはずです。
私たちはこの戦いの結果に極力介入しないようにします。船が沈んでいないのに支払われた保険金を返還させたり、戦場から回収された増殖モジュールを削除したりはしません。ゴーストキルメールの対象となったタイタンを破壊するためにハンガーに押し入ることもしません。もし存在すればの話ですが、何らかの不具合によりゲームにログインすることすらできないプレイヤーのみCCP側での移動を検討します。ログインできるプレイヤーは自力で移動しなければなりません。
◆結論
CCPとニューエデンのパイロットたちは長年にわたって終わりなき競争を繰り広げてきました。プレイヤーが可能性の限界を押し広げる一方で、私たちもハードウェアとソフトウェアの改良、ゲームメカニズムの変更を通してパフォーマンスを改善しつづけています。EVEプレイヤーがますます大きな戦争を引き起こし、毎週のように壮大な戦いを起こしてくれるおかげで、ゲームは未知の領域へと進みつづけることができるのです。私たちはプレイヤー全員の努力と野心に敬意を表します。今回は双方にとって不幸な事態となりましたが、この戦争はこれからもニューエデン情勢に変化をもたらし、EVE Onlineの歴史に素晴らしい物語を加えてくれることでしょう。
注: この記事は今週中に他言語でも公開する予定です。