ギャラクティック・アワー ニュースダイジェスト: YC123年を迎えるニューエデン
2020-12-31 21:08 スコープ、レト・グロリアクス
YC122年が終わり、123年が始まろうとしている。今年は侵略と戦争の一年だったが、星団各地ではYC122年を締めくくる祝祭が行われている。「レト・グロリアクスのギャラクティック・アワー」は世界各地のニュースをお届けする。
◆YC123年の訪れを祝うユールフェスティバルが最高潮を迎える
ジェネシス、ユーライ発-一部宙域では対トリグラヴィアン戦の影響が長引き、国境や辺境宙域でも紛争がつづいているが、ニューエデン市民はYC123年がより良い年になるという希望を抱き、長い戦災に苦しんだYC122年に祝祭とともに別れを告げている。トリグラヴィアンとの戦いや星系要塞化に携わった戦闘員、支援要員、作業員が家族のもとへ帰ることもあって、今年のユールフェスティバルの旅客は記録的な数にのぼっている。
人の動きは多いものの、トリグラヴィアンの侵略による深刻な被害のために多くの星系は例年より静かなユールフェスティバルを迎えている。特にカルダリ連合では無敵のカルダリ軍という長年の幻想が国土の中心で打ち砕かれ、多くの人々が不満と幻滅を味わい、いまだに政治的混乱がつづいている。とはいえ、抗議活動が年を越しても終わりそうにない状況ではあるが、打たれ強いカルダリ労働者階級のあいだには多少のお祝いムードが漂っている。記録的な売上とはいかないが、アルコール類や合法娯楽ブースターを製造している企業の取引は好調なようだ。
ガレンテ連邦も例年にない控えめなユールフェスティバルを迎えており、政治家たちは失陥した星系を思い起こすよう促すとともに、生存者や難民への支援が極めて重要な課題だと強調している。しかし、ガレンテ式の生き方を犠牲にすべきではないと考え、新年の訪れを精力的に祝っている市民も多い。ミンマター共和国は侵略の被害がそれほど大きくなかったものの、多くの人口を持つスカーコン星系やクリラルド星系のコロニーを失ったことから祝祭ムードはやや低調だ。ただし、ニューエデン暦を重んじる伝統が定着している氏族や部族のあいだでは、年の移り変わりを祝う儀式が行われている。
皇帝ハイデラン7世が教書パックス・アマリアで肯定して以来、ユールフェスティバルはアマー帝国でも祝日とされてきた。現在のアマーは女帝カティズ1世の教書パックス・エ・キリジ・ドに従っているが、宗教的行事が行われるフェスティバルと新年は依然として重要な祝日だと見なされている。アマー軍がトリグラヴィアン相手に91個星系で勝利し、35個星系を要塞化したことから、今年は神への感謝をささげる儀式も執り行われた。また、他国と比べて少数ではあるが、侵略により犠牲になった人々のために追悼式典も開かれた。
新年を祝っているのはニューエデン各地のカプセラも同じだ。今夜はパター星系の「永遠の灯火」で集会が予定されており、年明けの週末にはEDENCOM支持派のパーティー「スターライトボール」が計画されている。
◆ミンマター部族会議はトビアス・イフリートを共和国首相に任命
マター、パター発-ミンマター共和国部族会議は、昨年末の会合でクルースアル部族のトビアス・イフリートを共和国首相に任命した。ベテラン議員のイフリートは、ヴォロキュオール部族のカルシス・ソキオールにかわって首相の座につくことになる。また、部族会議はアッカサ・ミデュラー部族長から再検討の要請を受け、サンマター・マレアツ・シャコールの緊急権限を再確認するとともに、その期間を延長した。
イフリート首相はクルースアル部族のオクス・イフリート氏族長であり、過去30年間、数期にわたって共和国議会の議員を務めてきた。加えて、議員在職中に数年にわたってクルースアル貿易会議の議長を務めた経験を持つ。なお、イフリート首相はスカーコン星系でレジスタンスを指揮するクリル・イフリート将軍の親戚でもある。
カルシス・ソキオールは共和国政府を率いるに足る信頼できる人物だったが、トリグラヴィアンの侵略とフロセスウィン紛争を通して深刻な課題を抱えていた。議会関係者は「ソキオールは有能で立派な女性だ。だが、我々は現実として戦争に直面しており、カルシス・ソキオールは戦時に才能を発揮できる首相ではない」と語っている。ソキオールは名誉を保った形で政界を退き、惑星マターのコリシア海岸、ミツリス近くにある一族の屋敷で隠居する予定だ。
なお、他の人事としては、部族会議はカント・フィルミア将軍をメトロポリス方面ミンマター軍の最高司令官に昇格させた。
短報
◆M2-XFE星系のキープスターをめぐり辺境のカプセラ勢力が激突
デルヴ、M2-XFE発-カプセラ軍閥の連合体であるImperiumとPAPIは、デルヴのM2-XFE星系で厳重に防御されたキープスターをめぐって大艦隊戦を繰り広げた。この戦いはニューエデン史上最大級の戦いとなり、現時点で入っている情報によれば、約700隻の主力艦と250隻近いタイタンが破壊された模様。正確な数値は明らかになっていないが、これだけの主力艦が撃沈されたことを考えると、今回の戦闘はカプセラの戦争の歴史においてもっとも大きな被害を出したものになるかもしれない。
◆カルダリ軍と企業部隊がローントレック各地で「テロリスト制圧作戦」を実施
ローントレック発-カルダリ当局はローントレック全域で行われた大規模な制圧作戦について、「無政府主義テロリストの細胞組織を多数拘束、殲滅することに成功した」と発表した。発表によると、連合ピースキーパーはホームガード、ライダイ警備サービス、スペースレーンパトロールの治安部隊と協力し、多くの惑星、小惑星コロニー、宇宙ステーションで作戦を実施。トリノス星系からは、トリノス5、第10衛星軌道上のカルダリプロビジョン社ステーションで大規模な銃撃戦と複数回の爆発が起きたという情報も寄せられている。また、ローントレックの人口密集地ではカルダリ軍と企業部隊が広く出動しているとの目撃情報も相次いでいる。
その他のニュース
・CONCORDインナーサークルはポクヴェンでのさらなる情報収集活動を許可。消息を絶つ現地要員やコマンド部隊の被害も容認
・サケンタ3からマンティコア級フリゲートで脱出した難民、ペルン・クレードによる容赦ない生体適応施術を証言
・ララボス星系のEDENCOM監視ドローンがスヴァログ・クレード支配下の惑星における「大規模な地下活動」を検出
・スヴァログ・クレードがヴェレス勢力圏のセンダ5を攻撃したとの未確認情報。カルダリレジスタンスは改造された現地民が防衛兵器を操作していたと証言
・ミンマター海軍がアモ2の基地を空母群、地上軍5個師団、強化型軌道防衛兵器で強化
・クーニッド貴族アラル・チャーケイドと奴隷商人オルロン・ザシェフ、厳重な警備のもとイニスイリクス星系の宗教評議会法学校ステーションへ移送
・元ガレンテ大統領候補ユリアヌス・ソテル(Julianus Soter)、ビロア協定軍(Villore Accords)がガレンテ・カルダリ紛争宙域から離脱すると発表
・ラマデント3での「急進的アマー教会」設立について、アエマン地方裁に差し止めが申し立てられる
・インタキ議会は連邦情報局とガレンテ海軍の反対を押し切り、インタキ宇宙警察と海運・安保契約を締結
・ドメインとディボイドにおけるアマー軍再建計画と連動してサルム家が軍備を増強。歩兵部隊の輸送が目撃される
・アマター艦隊がアーノラ星系に軌道防衛部隊を配備。現地のSARO「レッド・トループ」部隊は対破壊工作活動を終えて撤収
・アーノラ星系サッカー交易ステーションのセイカル氏族「SAROがトリグ好きのクローン兵を数十人仕留めて、何人か捕まえた」
・カルダリでは新年のスプリンターズの試合に対する賭け額がここ10年で最低。激動の一年で市民が支出に対し敏感になったか