ギャラクティック・アワー ニュースダイジェスト: タヌー2爆撃の余波、カルダリの外交、そしてガレンテのインフラ再開発
2021-04-28 20:19 スコープ、レト・グロリアクス
タヌー2爆撃の余波はいまだニューエデンを揺さぶりつづけている。カルダリはアマーとの重要サミットに臨もうとしており、ガレンテではアガード大統領が再開発計画を推進中だ。「レト・グロリアクスのギャラクティック・アワー」は世界各地のニュースをお届けする。
◆タヌー2爆撃の混乱つづく。自制を求める声と非難の声が交錯
ジェネシス、ユーライ発-昨日発生したタヌー2爆撃の混乱がいまだ完全に収まらないなか、CONCORDインナーサークルはアマー帝国とミンマター共和国が「自制と協力の精神を示した」と称賛した。また、インナーサークルのセリ・オコナヤ総裁はアマー代表のサーダン・ゼル・クオシュ元帥に対し、CONCORDが全面的な支援を提供することを個人的に保証した。
ミンマター代表のケイタン・ユンとガレンテ代表のデヴァン・マレートは引きつづき自制を求める方針に同調しながらも、「今回の事件は非正規武装勢力によって実行されたものであり、しかも彼らは文明社会と人間の自由に敵対する存在に従属している可能性がある」ことを確信していると述べた。カルダリ代理代表のアキマカ・サラキはアマープライムへ向かう途中にユーライ星系に立ち寄り、二国代表の発言に対して、「今回の事件の真相と、ガレンテ・ミンマター文化圏の外で採用されている政治体制の有効性について、先入観なく考えてもらわなければならない」と牽制した。
アマー上層部はこの事件に関して明らかにあえて沈黙しており、アマー外交をよく知る専門家は「すさまじい怒りと報復の決意をかろうじて隠している、昔ながらの無表情な仮面」だと表現した。爆撃後のタヌー2では非常事態態勢がつづいており、アーディシャパー家近衛隊や帝国保安省、聖テトリモン教団の部隊が多数展開していることから、外部に発信されている情報はごく限られたものとなっている。
アマー公共ニュースは首都トー・アマト周辺への被害は「軽微」だと報じつづけている。だが、独自に軌道上から撮影された画像を見ると、地形がクレーターによって大きく変化し、水産業者がドックとして使用していた郊外の半島が消滅していることが確認できる。スコープの軍事専門家はこの画像について、「攻撃者が地元の漁船団を狙ったとは思えないので、狙いが逸れたか誘導に失敗したのだろう」と述べた。
とはいえ、トー・アマトの主要な政府、軍事、工業、住宅地区はシールドと弾道弾迎撃兵器に守られて傷一つなく爆撃を乗りきったようだ。トー・アマトとタヌー2の強力な防備を考えると、小規模なドレッドノート部隊が何のために爆撃を強行したのか多くの人々が首をかしげている。現地特派員からの未確認情報によると、軍事地区の端にある聖テトリモン教団の支部から対軌道レーザーが発射された。また、軌道上の戦闘の目撃者は、ドレッドノートが高出力の照準レーザーを使用していたと証言している。このレーザーは軌道爆撃要に改造された船の一般的な装備である。
ミンマター共和国、ブルートー部族、ブルートーヴァンガード社は、攻撃を主導した複数名の調査を行うと発表した。
◆カルダリ代表団が帝国枢密院のサテライトサミットに招かれる
アマープライム、ダム・トーサッド発-帝国侍従長府はカルダリ代表団を「サテライトサミット」に招待したと発表した。サミットは女帝カティズ1世が召集した枢密院会議と並行して行われる。滅多にないことだが、アマー・カルダリの代表団が皇宮に集まり、時おりこのような形で両国にとって極めて重要な問題を協議している。
カルダリ連合は現在のインナーサークル・カルダリ代表を務めるウィルコミ社CEOの正式な代理人として、同社のアキマカ・サラキ上級役員が代表団を率いると発表した。代表団にはCBD社とスクーベスタ社の重役も加わっており、八大企業の三派閥すべてが参加していることから、安全保障やインフラ、貿易問題などが企業の枠にとらわれずに議論されると思われる。
企業領各地で労働者と中級管理職の抗議が増加の一途をたどっているにもかかわらず、代表取締委員会があくまでサミットに参加しようとしていることからも、彼らが帝国枢密院との協議をどれだけ重視しているのかうかがい知ることができる。
◆セレス・アガード大統領が大規模なインフラ整備・再開発計画を発表
ルミネール、ガレンテプライム発-セレス・アガード大統領は元老院事業委員会とのホログラム公開会議において、「偉大な連邦の外縁地域に焦点を当てた、大規模なインフラ整備と再開発計画」を発表した。大統領はガレンテ辺境宙域の安全保障とインフラ整備に投資する必要性を訴えて大統領選に勝利しており、選挙運動で掲げた公約を実現すると固く決意しているようだ。
アガード大統領によると、彼女は最近、ソリチュードとガレンテの他のリージョンを結ぶスターゲートに最適な場所を探すため、ガレンテ海軍の恒星間調査隊にソリチュード、プラシッド、バージベンダーで新規調査を行うことを許可したという。現在のソリチュード行き航路はシンジケートを通る危険なルートか、ジェネシスとアリディアから迂回する多少安全なルートのどちらかしかない。大統領はソリチュードに新しいスターゲートを建設すると約束し、ガレンテ辺境宙域を重視する自身の政策の象徴にしている。
アガード大統領はさらに、トレースコスモス現象を研究するためにソリチュードのジェレリーク星系に新設されたデュボーレ社重力波観測所への支援を表明した。加えて、大統領はマンナー8の環境を復元または「修復的にテラフォーム」する長期プロジェクトの次なる段階に対し、補助金を提供する用意があると発表した。マンナー8はマンナー人の母星だが、約150年前に生態系が崩壊して地表で暮らすことのできない不毛の星と化してしまった。
◆進行中: アーディシャパー家の傭兵部隊がミンマターのオイディスダー星系を襲撃
モルデンヒース、オイディスダー発-ミンマター共和国とアマター自治領の国境であるオイディスダー星系において、レッドアンドシルバーハンド社の複数の戦闘部隊が「襲撃行為」を行ったとの情報が入った。レッドアンドシルバーハンド社はディレリックを治めているアーディシャパー家が後ろ盾になっていることで知られる傭兵会社だ。
オイディスダー星系は厳重な防衛体制が敷かれている星系で、ミンマター海軍とガレンテ海軍の戦力で編成された合同部隊、ミンマター共同防衛旅団の基地が置かれている。この旅団が抑えているのはケノバナラ星系に通じる航路だ。この星系もオイディスター星系と同じく強力に守られており、アマー海軍、カルダリ海軍、アマター艦隊、クーニッド海軍の合同基地であるクマー要塞が存在する。
これら2つの基地はミンマター・アマター国境で数十年にわたって不安定な平和を維持してきたが、近年はディレリック・モルデンヒース間でやり取りされる外交・貿易が盛んになり、緊張はやや和らいでいた。しかし、タヌー2爆撃によって緊張が頂点に達している状況でこの危うい国境が攻撃されるとは、傭兵の行為とはいえ最悪のタイミングだ。現時点ではミンマター、アマター、アマーのいずれもコメントを発表していない。
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