ギャラクティック・アワー ニュースダイジェスト: 新ゲート建設計画とEoM掃討作戦
2021-05-27 16:51 スコープ、レト・グロリアクス
四大国はエクリブリウム・オブ・マンカインド掃討作戦を続行する一方で、新たなスターゲートの建設に着手した。「レト・グロリアクスのギャラクティック・アワー」は世界各地のニュースをお届けする。
◆四大国がユーライで新条約に調印、新スターゲート建設計画始動
ジェネシス、ユーライ発-四大国が新たなスターゲートに関する資金、航行権、貿易協定などを定めた条約に調印し、ニューエデン各地でゲートの建設作業がはじまっている。関係者によれば、ここ数か月のあいだ各国の政治状況が「緊迫」していたため、CONCORDを交えた四大国間の交渉は半ば秘密裏に行われた。
ガレンテ連邦はかねてよりガレンテ本国とソリチュードを直接結びつける計画に言及しており、新ゲートを建設する意向を公然と示していた唯一の国だ。セレス・アガード大統領は外縁地域を重視するという長年の公約の具体的政策として、ユーライ合意とユーライ協定を遵守しつつ、何らかの方法で国内の地理的結びつきを強める考えを明らかにしていた。ガレンテのゲート建設計画では、プラシッドのケンニンク星系とソリチュードのエッゲロン星系にゲートの設置を予定している。この2つの星系がつながれば、ヌルセク宙域のインタキシンジケート領を通る直通ルート、あるいはジェネシスとアリディアから迂回する長距離ルートに代わる新たな航路が生まれることになる。
他国もそれぞれのゲート建設計画を立ち上げたことが判明しているが、特に期待されているのはアマー帝国とカルダリ連合をつなぐ直通民間ルートの復活だ。かつてのルートはアマー領ナイアルジャ星系がトリグラヴィアンに奪われた際に切断されたため、アマー・カルダリ両国が新たな航路を構築するために下調べを進めてきたのは間違いない。カルダリからアマーへ通じるゲートについては、以前まで有力だった建設候補地の多くが「危険なほど不安定」になっていると報告されており、これはカルダリ領の多くがトリグラヴィアンの恒星操作の影響を受けているためだと思われる。最終的に最有力候補地としてザ・フォージのヒッコタ星系とジェネシスのアーベイゾン星系が選ばれ、現在は両星系で建設が進められている。
アマー帝国はカルダリ連合のゲート建設を政治面から強力に支援し、ある程度の財政支援まで行う一方、辺境における選択肢を広げるためにタッシュムーコンのサマイナ星系とステインのF7-ICZ星系にゲートを建設する予定だ。これは女帝カティズ1世が個人的に命じたもので、タッシュムーコン家の領地を通してヌルセク宙域への道が開かれることになる。アマー政治の観測筋は、プロビデンス方面の諸権利を持つタッシュムーコン家にさらにステイン行きスターゲートを与えることで、カティズ1世は自分の生まれた皇家を今後の拡張の最先端に置こうとしているのではないかと指摘している。なお、サマイナ星系にはサンシャ国に破壊されるまで領地の最南端を守っていたトロマーク要塞の廃墟があり、この星系はタッシュムーコン家にとってひときわ重要な意味を持っている。
ミンマター共和国のゲート建設計画は星間関係の観測筋を驚かせるものだった。ミンマターはメトロポリスのアイアグラス星系とジェネシスのパクシ星系にゲートを建設し、自国とCONCORDが管理するサンクトゥム・コンステレーションをむすぶ直通ルートを確立するというのである。
YC110年にCONCORD本部を攻撃した「長老艦隊」はいまだ多くの人々が記憶しているものの、過去10年間のミンマター外交はおおむねCONCORDに協力的だった。多数のミンマター人がCONCORDへ疑いの目を向けているのは確かだが、世論調査によれば広く肯定的に評価している人々も多い。ただ、ミンマター社会ではこのバランスの取れた見方とは対照的に、EDENCOMはミンマターの領土を奪うことを最終目的とした「アマーの陰謀」だとする考えが広まっている。
アイアグラス星系とパクシ星系をつなぐという決定は、影響力の強いセビエスター部族がヴェロキュオール部族と共和国司法局の支援を受けて推し進めたものと思われる。外交志向の両部族はCONCORDとより密接に協力する利点をしばしば強調してきた。また、司法局は影響力を強めつつある国内の秘密組織や軍国主義者に対抗するため、奴隷取引、奴隷狩りに対する法的処置やテロ対策を熱心に強化していることで知られている。部族会議関係者によれば、セビエスター部族は新しいスターゲートを運営するため、セビエスター系氏族の人間でサークル組織を設立する権利を獲得した模様だ。
CONCORDインナーサークルにおける「YC123年スターゲート承認条約」の交渉を知る情報筋によれば、ガレンテは通商保護委員会が担う監督業務などの財源、ミンマターへの多額の補助金としてニューエデン防衛基金を使用するよう強く訴えた。アマーはこの措置を支持する条件として、ヒッコタ・アーベイゾン航路を使用するすべての艦船は、出発地と目的地がどこであろうと既存の経済制裁の対象外とすることを求めた。ガレンテは国内で政治的影響力を持つトランスステラー運送がすべての新航路で有利な営業権を与えられることが決まると、アマーの条件に同意。カルダリも自国のゲート建設が同様の補助金を受けることを条件に賛成した。ミンマターは経済制裁に抜け道を作るものだとして正式に異議を申し立てたものの、ニューエデン防衛基金から提供される巨額の資金援助の魅力にあらがえず、条約成立をあえて妨げようとはしなかった。
◆DEDがEoM艦隊について「完全に崩壊した」と発表。惑星上でも対EoM作戦増加
ジェネシス、ユーライ発-CONCORDインナーサークルの会合ではスターゲートに関する条約が主に話し合われたが、EoM掃討作戦も議論され、エクリブリウム・オブ・マンカインドの主力艦部隊と主力艦建造能力は「実用レベルを超えて弱体化し、完全に崩壊した」というDEDの評価が報告された。キアシドゥール・エラダル司令官はさらに、独立カプセラや各国海軍と協力して行った大規模なEoMインフラ制圧作戦により、「かなりの量の技術データ、機器、情報」を回収したと強調した。
エラダル司令官はユーライ合意にもとづき、回収したデータや技術の分析結果を各国と広く共有していると前置きした上で、「重要なのはCONCORD構成国のサイノシュラル航路、サイノシュラル抑制技術について、不正アクセス対策や安全性向上につながる技術開発を促進すること」だと述べた。また、エラダル司令官はEoMのアバター級タイタンから複数のドゥームズデイで攻撃されたカハー3の状況についてもコメントした。「DEDその他のCONCORD諸機関は当然ながらクーニッド当局にあらゆる支援を申し出ましたが、現地の治安部隊は我々の申し出を断り、惑星を封鎖することを選びました。カハー3の気候は安定に向かっていると見ていますが、攻撃自体はもちろんのこと、惑星の大気に局所的に膨大なエネルギーが流れこんで巨大嵐が発生し、広い範囲に甚大な被害を与えています」
EoMの主力艦部隊と主力艦建造能力が無力化されたため、各国は工作員や細胞組織といった脅威への対処に軸足を移している。ガレンテの連邦情報局は連邦構成体の治安部隊と連携し、EoMメンバーの浸透範囲を特定する大規模調査を実施中だ。メディアはYC122年の連邦選挙襲撃事件もEoMの仕業ではないかと注目しているが、ソウロ・フォワリタン元大統領が指揮する調査委員会はその可能性は低いとみている。連邦情報局のメンタス・ブラーク局長は何もコメントしておらず、内部調査特務部のトーン・ガトロー管理官はEoM工作員の捜索をつづけている。
いつものことではあるが、アマーは国内の治安維持について沈黙を守っている。だが、広大な帝国各地から寄せられた情報によると、帝国軍、宗教評議会、帝国保安省、聖テトリモン教団などの複数の機関が「忌まわしき異端に対する正義の粛清」を大規模に行っているという。未確認情報ではあるが、聖ベネフィス信心会のすべての施設と資産が差し押さえられたという報告もある。また、これまで容認されてきた「非正統派」のカルト、教団、協会にも、さまざまなレベルで調査、押収、弾圧が行われている。皇家、大貴族の警察部隊や民兵もEoM工作員を探し出そうと大がかりな捜索を実施中だ。EoMに協力した悪名高きクーニッド貴族、アラル・チャーケイドの拘束あるいは生死の確認は、アマーの諸機関にとって最優先事項になっているものと思われる。
ミンマターは「黒い短剣殺人事件」とテロ行為の調査に引きつづき力を注いでおり、国内で起きたこれらの事件は、国際社会を動揺させ戦争を誘発しようとしたEoMと何らかの関係があると見なしている。共和国司法局、共和国保安局、各部族の保安官や警察組織はEoMメンバーの調査・捜索を行うにあたり、全面的に協力して事に当たるよう部族会議から指示された。カルダリでは派閥間の権力争いが激化しているらしく、当局のひどい混乱、巨大企業間の明らかな協力関係の欠如が影響し、調査は順調に進んでいない。CONCORD諸機関は今回の危機とその余波のあいだ、各国において「調整役と連絡員の役割」を果たしており、その存在感は特筆すべきものがある。SAROやDERAILといったネガティブな印象の強い治安部隊も存在感を強め、AEGISや従来のDEDとともに容認されているようにも思える。
短報
◆カルダリは市民の活動制限を維持…代表取締委員会の膠着状態つづく
ニューカルダリプライム発-カルダリでは代表取締委員会運営ビル爆破事件をきっかけに市民の活動が制限され、テロ攻撃の余波が収まらないなか依然として非常措置が継続されている。プオク・コッシネン議長は遠隔地や惑星外にバックアップクローンを用意しているが、ビルの残骸から救出されて一命を取り留めたためにいまだ職務に復帰していない。コッシネン議長は奇跡的に爆破を生き延びたものの、「脳が大きなダメージを負っていることを示す深い昏睡状態」にあると伝えられている。彼は長期的な治療を受ければ回復する見込みだが、生き延びたことでバックアップクローンが起動されず、かえってカルダリの政治危機を悪化させるという皮肉な結果になってしまった。
八大企業は代表取締委員会の運営について「膠着状態」に陥っているようだ。カーラキオタ社とスクーベスタ社は大きな力を持つ「山岳派」だが、暫定的あるいは恒久的な議長としてどの候補者を推すか決めかねている。イシュコネ社、ヒャショーダ社、ウィルコミ社から成る「海洋派」とCBD社、ライダイ社、ノゴエイハヴィ社で構成される「森林派」は激しく対立し、どちらも自分たちが支持する候補者を勝たせたいと望んでいるが、票数は拮抗している。市民には活動制限命令が出ているにもかかわらず、カルダリの通信チャンネルでは「暴徒による破壊行為」や「企業治安部隊の暴走」について労働者と中級管理職がさかんに情報を交わしており、八大企業が国内の統制を失いつつあるという感覚が広がっている。
◆スカーコン2でクレード間の戦闘激化、スヴァログはクリル・イフリート将軍を捜索
ポクヴェン、スカーコン発-戦火にあえぐスカーコン2では、トリグラヴィアンのヴェレス・クレードとスヴァログ・クレードが支配権をめぐって無制限戦争を繰り広げ、惑星にさらなる被害をもたらしている。ヴェレスが彼らの勢力圏クライ・ヴェレスの外、クライ・スヴァログに位置する惑星を欲している理由は分かっていないが、ヴェレス軍はそれほど大規模ではない部隊でスヴァログ軍の陣地を攻撃しつづけている。
スヴァログはヴェレスに対抗できるだけの戦力をスカーコン2に投入する一方、レジスタンス部隊を指揮するクリル・イフリート将軍を以前にも増して熱心に捜索しているようだ。傍受したスヴァログの通信を独自に分析したところ、彼らはイフリート将軍に「執着」しているらしいことが明らかになった。他の見方としては、将軍に対する「称賛」「嫌悪」「批判的評価」など様々な解釈がなされている。スヴァログは最近、レジスタンス部隊とイフリート将軍を排除するために反物質兵器で地形が変わるほどの攻撃を加えたが、散発的な報告によれば将軍は生き延びてレジスタンス部隊を指揮しつづけているとのことだ。
その他のニュース
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・秘密警察チェシュム・カーンがチャーケイドと関わりのある数千人の軍関係者と小貴族を逮捕
・クーニッド近衛隊とチェシュム・カーンがフェコーヤ公爵領で「公爵僭称者の支持者」を排除
・宗教評議会は「ジダレズ王妃が提出した証拠により、ソシャン・ファエズ元帥を無罪と判断」した模様
・ガリスタス海賊団が「EoM工作員20名を簀巻きにしてオベ星系のDED施設へ放り込んだのは自分たちだ」と主張
・カルダリの労働者組織、「ガリスタスから盗品の企業通貨を受け取った」としてライダイ社に告発される
・記録保管局はガリスタスが放送したアニン5「ヤナラ・デーの虐殺」の映像の分析結果を機密に指定
・エンジェルカルテル暗殺部隊、「サッカー系氏族」と会談していたクルレファー・オーガニゼーションの「エヌア星系の副首領」を殺害
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・GPD/RJD合同タスクフォース「サーペンティス社による密輸の増加はニューエデン全体で組織的暴力が増加していることと関係がある」
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・アーディシャパー家が内部告発者がリークした文書にコメント。「テロリストの活発な動きに対し、DEDが呆れるほど慢心していることを示すものだ」