ギャラクティック・アワー ニュースダイジェスト: 新ゲート開通、四大国は安保強化と態勢立て直しに注力
2021-06-09 21:32 スコープ、レト・グロリアクス
ニューエデン各地で新航路が開通するなか、四大国は安全保障の強化と態勢立て直しに力を注いでいる。「レト・グロリアクスのギャラクティック・アワー」は世界各地のニュースをお届けする。
◆新たに建設されたスターゲートが起動、ニューエデン各地で新航路開通
ジェネシス、ユーライ発-きのう、四大国各地で新たな航路が開通した。この新航路を結ぶスターゲートは各国の採掘部隊や有志カプセラが採取した資源をもとに組み立てられたものだ。新ゲートは四大国が調印したYC123年スターゲート承認条約にもとづき、すべてが同時に起動された。
新航路を構成しているスターゲートは次のとおり。
・アマー帝国が建設、運営しているサマイナ星系(タッシュムーコン)とF7-ICZ星系(ステイン)。
・カルダリ連合が建設、運営しているヒッコタ星系 (ザ・フォージ)とアーベイゾン星系(ジェネシス)。
・ガレンテ連邦が建設、運営しているケンニンク星系(プラシッド)とエッゲロン星系(ソリチュード)。
・ミンマター共和国が建設、運営しているアイアグラス星系(メトロポリス)とパクシ星系(ジェネシス)。
新ゲートを起動するにあたって大きな問題は起きなかったが、接続が確立されたあと、局所的な時空間トポロジー異常によりゲート周辺でマイクロワープドライブエンジンが使用できない状況が数時間つづいた。4組のゲートを同時に起動したことに加え、トリグラヴィアンの恒星操作による時空間トポロジーへの影響がこのような予期せぬ結果を招いたのではないかという見方もある。ゲート管理員によればゲートそのものは正常に稼働しており、新ゲートが設置された星系でトリグラヴィアンの異常な活動も報告されていない。
◆代表取締委員会はアキマカ・サラキを議長代理に任命することで合意
ニューカルダリプライム発-カルダリ代表取締委員会は議長任命をめぐる膠着状態に陥っていたが、今朝になってアキマカ・サラキを議長代理に任命することが決定した。ニューカルダリプライム、ランドフォール市にある代表取締委員会運営ビルが爆破された事件でプオク・コッシネン議長が重傷を負い、カルダリ八大企業で構成される統治評議会は議長不在の状態がつづいていた。
サラキを議長代理に任命できたことは海洋派を成すヒャショーダ社、イシュコネ社、ウィルコミ社にとって大きな勝利だ。山岳派のカーラキオタ社とスクーベスタ社がウィルコミ出身の候補者を支持したということは、両派閥のあいだで何らかの交渉が成立したものと思われる。サラキは最近ではCONCORDインナーサークルのカルダリ代表を務め、エクリブリウム・オブ・マンカインドがテロ事件を起こした際も紛争回避に尽力したことで知られている。対トリグラヴィアン戦争中はサマヌニ星系でウィルコミ社施設の要塞化を監督、自らサマヌニ6防衛隊の指揮をとって侵略者を撃退したという戦歴もあり、こうした彼個人の功績も有利に働いたようだ。
また、アキマカ・サラキはウィルコミ・セイツオダ重工業の元CEOにしてウィルコミ社を支配する創業者一族の一人、アカリ・セイツオダの義理の息子でもある。アカリ・セイツオダはカルダリ労働者が不満を抱えて抗議活動を起こしたことに理解を示しており、サラキ自身も軍や企業治安部隊の失態に憤慨している人々に同情的なことで知られている。
サラキが議長代理に選出されたのは、海洋派が安定・安全を重視する山岳派を説得し、改革と怒れる労働者との和解を推し進めるべきだと認めさせた結果かもしれない。真相がどうあれ、CBD社、ライダイ社、ノゴエイハヴィ社で構成される森林派が打撃を受けたことは間違いなく、彼らは海洋派・山岳派枢軸が恒久的な同盟関係とならないよう慎重に動かなければならないだろう。
◆ガレンテ元老院、アガード大統領のインフラ強化政策に関する新予算案を可決
エッセンス、ビロア発-ガレンテ元老院はセレス・アガード大統領が掲げる「具体的な行動による連邦外縁部と中核部の統合」を実現するため、インフラ予算の強化、安全保障プロジェクトへの新たな予算割り当てを可能にする法案を可決した。
この法案を通過させるにあたり、アガード大統領は連邦内の惑星国家の独立性を重視する有力政治ブロックから支持を得る必要があったと考えられている。大統領は彼らへの交渉材料として、死刑を廃止・非合法化する「ベラロン法案」への拒否権行使に同意したという噂がある。
スヴィオ・ベラロン元老院議員の死刑廃止法案はアガード大統領が当選する前に元老院を通過したが、ジャックス・ローデン大統領が法案を承認するか拒否するかを後任に委ねたため、大統領選の争点にもなっていた。アガード大統領の就任後は、彼女の指示により「連邦構成体の社会的、文化的、政治的独立性を考慮した実施可能性」について調査が行われている。元老院の議事運営委員会も法案が制定されないまま廃案にならないよう、有効状態を保つために定期的に決議しつづけている状況だ。
アガード大統領はインフラと安全保障に対する投資を確約することで、リベラル派の政治ブロックに死刑廃止法案を諦めさせたのかもしれない。一方ベラロン議員は、インタキ星系やプラシッド各地から選出された労働人民同盟の議員と論戦を交わして敗れたようだ。死刑廃止に肯定的な彼らはベラロン議員の政治的盟友だったはずだが、インフラ予算の成立に反対する気配を見せておらず、アガード大統領が死刑廃止法案に拒否権を行使することを事実上黙認するものと思われる。
◆部族会議が戦闘クローン対策の強化、秘密部隊への資金提供、義勇兵の募集を決定
パター、マター発-ミンマター部族会議が開催した直近の会合では安全保障が主題となり、反乱戦闘クローンへの対策、秘密作戦への資金投入、そしてフロセスウィン4の防衛、スカーコン星系・クリラルド星系の解放を目的とした新たな義勇兵の募集などが話し合われた。会合は長時間におよび、関係者が「時々ヒートアップした」と証言するほど白熱したものになったが、最終的にこれらの措置は部族会議全体の同意を得た。
セビエスター部族のアカッサ・ミデュラー部族長は「拡大の一途をたどる安全保障体制が氏族、部族の自由と権利をおびやかしている」と懸念を表明。ネファンター部族のエレカ・ヴァルカニール部族長、スタークマニール部族のジェオラン・セツール部族長、ヴェロキュオール部族のイサルドサンド・アーブラルド部族長もおおむね同調し、いくつかの提案に反対意見を唱えた。また、ブルートー部族のウクミ・ポル部族長はCONCORD諸機関が部族領で権限を拡大することに特に強く反対した。
CONCORDの対戦闘クローン部隊「レッド・トループ」、対AI部隊「DERAIL」が「共和国保安局の監督のもとで」部族や氏族の土地に入ることを認めるという提案については、5つの部族が反対したため必然的に却下された。一方、共和国保安局の対戦闘クローン部隊が調査権限を拡大することは認められ、クルースアル部族のテネルハッディ・ダイコン部族長とサッカー部族のアイナー・エボール部族長は大きな収穫を得た。ブルートー部族とスタークマニール部族は「アマーの奴隷使いやトリグラヴィアンの侵略者と協力する」反乱戦闘クローンが増えていると説得され、この提案を受け入れた模様だ。
増加している海賊や違法奴隷商人の活動への対処、ポクヴェンや紛争宙域の被占領地への潜入など、秘密作戦に従事する部隊への資金投入はそれほど議論されずに認められた。また、部族会議はフロセスウィン4の防衛、スカーコン星系・クリラルド星系の解放、カプセラ義勇兵や奴隷解放活動の支援を目的として、さらに義勇兵を募るための費用支出と実施手段を承認した。
短報
◆アマーは異端制圧作戦を継続、貴族たちは信仰と忠誠を熱烈に宣言
アマープライム発-多くの主要都市が封鎖状態に置かれ、現地に関する証言はほとんど得られていないが、アマーが国内の反体制派と異端に対する制圧作戦を継続しているのは間違いない。スコープ独自の情報源によれば、帝国保安省、宗教評議会、聖テトリモン教団の活動は激しさを増しているという。皇家とすべての大貴族が独自に制圧作戦を行う一方で、中小貴族は「お互い競い合うように国教への信仰と玉座への完全な忠誠を公言している」とのことだ。
現在行われている制圧作戦はジャミル1世時代に行われた「勅令拒絶者」討伐以来の規模に達しており、アマー国内の異端狩りや反乱分子粛清としては近年でもっとも苛烈なものになっている。帝国保安省、宗教評議会、そして珍しいことに聖テトリモン教団までもが大きな権限を与えられ、民兵隊に戦力を提供させたり、大貴族の私兵部隊に様々な命令を出したりできる立場にある。また、彼らは皇家や帝国近衛隊に部隊の派遣を要請する権限も与えられている。さらに、もろもろの省庁、評議会、修道会には枢密院の監督のもとで互いを調査する権限が与えられている。この最後の措置はアマーがどれほど真剣に制圧作戦に臨んでいるかを示すもっとも明確なシグナルだと言えるだろう。異端者の取り締まりが長年にわたって徹底を欠いた結果、エクリブリウム・オブ・マンカインドがあのような暴挙を引き起こしたため、帝国は草の根を分けてでも標的を見つけ出すつもりらしい。
◆インタキ議会、元老院小委員会、安全保障会議が会合予定
プラシッド、インタキ発-インタキ議会は海運・安保契約に関する元老院小委員会、連邦安全保障会議との会合日程に合意した。インタキ議会はかねてより海運・安保契約をインタキ宇宙警察、インタキ通商を含むグループに任せる意向を示しており、複数回開催される会合ではこの措置に関する未解決問題が話し合われる予定だ。
関係者によれば、アガード大統領は「連邦の安全を守りながらも、インタキ議会の権利と特権を尊重する」内容でインタキ議会と合意することを優先しているという。また、別の関係者はギャラクティック・アワーに対し、インタキ星系選出の元老院議員が大統領のインフラ予算を支持したことが「行き詰まりを打開するきっかけになった」と話している。
◆スカーコン2のクレード間戦争が激化、ポクヴェンではカプセラが支配権を争う
ポクヴェン、スカーコン発-スヴァログとヴェレスが繰り広げているクレード間戦争がさらに激しさを増し、荒れ果てた惑星全体に拡大していることが明らかになった。スカーコン星系観測筋からの報告によれば、クレード間戦争は比喩でも何でもなく海にまで溢れ出している模様だ。ヴェレス艦がスカーコン2の海に正体不明のカーゴを投入すると、スヴァログは沿岸地帯や主要海域の大陸棚で活発な動きを見せはじめた。スヴァログ軍は新たな海洋戦線に対応するべく戦力を再配置したため、これまで支配していた占領地からいくぶん後退した状態になっている。
内陸部にある比較的被害を受けていない人口密集地では、この思わぬ猶予期間を利用して避難がつづけられ、避難が難しい場所では地下施設の要塞化が進められている。かつて複数の主要都市があったスカーコン2の都市工業地帯スカルディザードは、今となっては大半の民間人が退去しているが、スカーコン部族レジスタンス軍、反乱戦闘クローン、そしてスヴァログの「シージエリート」に率いられた多数の戦闘兵器のあいだで激戦が繰り広げられている。ちなみに、シージエリートとはスヴァログの機械化重装歩兵トロイカの通称である。
昔から「ニューエデンの蛇穴」と呼ばれてきたスカーコン2がその名に恥じない混乱ぶりを見せる一方で、ポクヴェン各地では「カイバーノート」を名乗る親トリグラヴィアン派カプセラが各国軍やEDENCOM支持派と交戦中だ。また、コンジットゲートに設けられていた「思想証明」ロックが解除されたため、特に支持陣営を持たないカプセラコーポレーションやアライアンスもトリグラヴィアン宙域において優位に立とうとする動きを強めている。トリグラフ招会が各クレードの本拠地星系を除いてゲートロックを解いた理由は不明だが、クレード間戦争の激化と何らかの関係があるのではないかと推測されている。AEGISの情報戦コマンド部隊がロックを破壊したとする主張もあるが、この説ではなぜトリグラヴィアンがロックを復活させないのか説明がつかない。
◆クーニッド軍が王国各地に展開、粛清つづく
クーニッド、パーセス発-クーニッド王国はアマーと同じように異端制圧作戦を実施しつつ、この機会を利用してクーニッド3世とその直臣にあまり忠実でないと見られている地域を弾圧している。人々が恐れる秘密警察チェシュム・カーンとその強力な治安部隊が王国の至るところに大量配備され、中には国王の近衛隊に支援されていることさえある。当局が特に問題視している「王政に対して不忠かつ不敬」な地域には、残虐行為で悪名を馳せ、チェシュム・カーン以上に恐れられているアスバラ・サイバー騎士団が派遣された。ソシャン・ファエズ元帥指揮下の第7アスバラ・サイバー騎士団は「行動、言葉、象徴、どのような形であろうとあらゆる反逆を粉砕する」ためにフェコーヤ公爵領のバシュヤム4に降下したと伝えられている。
フェコーヤ公爵領はクーニッド王の直臣が治める領地でありながら、貴族の権威はアマー帝国皇帝から直接付与されたものだと唱える「一冠統一主義者」がひときわ多い場所でもある。このような考え方はクーニッドでは非常に扇動的だが、クーニッド王国が「帝国の王国」としてアマー帝国に再統合されて以来、数年のあいだに勢いを増している。しかし皮肉なことに、一冠運動の神学的・政治的基礎となっている考え方は、帝国国教の王室領や枢密院に関する教義と相容れないものなのだそうだ。なにはともあれ、クーニッド家がアマーにただよっている抑圧的な雰囲気を利用し、不満分子の粛清を行っているのは確かである。
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