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ターナー星系で恒星変成装置が起動 ニューエデン全域で外交と市場が混乱
2022-10-02 スコープ、アルトン・ハヴェリ

ターナー星系で起動した恒星変成装置のプロトタイプ

◆ターナー星系で恒星変成装置が起動。星間社会の怒りと外交危機を招く

ジェネシス、ユーライ発 アマー・ミンマター紛争宙域に設置された恒星変成装置のプロトタイプは論争と紛争を引き起こしているが、この問題を平和的に解決する望みは薄れつつある。星間社会はターナー星系の恒星変成装置が起動されたことに激怒しており、四大国の外交姿勢はますます強硬になっている。

アマー帝国のサーダン・ゼル・クオシュ元帥は、アマーが「YC110年CONCORD緊急義勇兵戦争権限法の規定にもとづき保持する領土について、その領土内の全資源を開発する主権的権利」を有すると以前から主張しており、帝国軍務省は今回の件について同様の見解を示している。義勇兵戦争権限法はそれ自体が多くの批判を受けている賛否両論の法律だが、アマーはさらに物議をかもす方法で解釈し、鉱業権から抵抗派住民を奴隷化する権利まで様々な権益を主張してきた。現在のインナーサークル・アマー代表はハミデ・カドール女候が務めているが、彼女は帝都ダム・トーサッドで女帝カティズ1世との枢密院会議に出席しているため、いまだ声明を発していない。

ミンマター共和国はアマーの主張を断固拒否。インナーサークル・ミンマター代表のケイタン・ユンは恒星変成装置の起動を激しく非難し、「悪党と海賊が営むテロ国家によって行われた犯罪行為」だと述べた。さらにユン代表はこのプロジェクトに関わったアマー人を「犯罪者として記録し、ありとあらゆる手段を使っていつまでも追い続ける」と宣言した。サンマター・マレアツ・シャコールは装置が起動した直後に惑星マターにおいて部族会議を緊急招集し、ミンマター海軍、地域防衛部隊、義勇軍に緊急動員命令を発した。

カルダリ連合は今回の一件についてそれほど反応していないものの、アマーの行動を支持するかどうか明確にしない発言が目立つ。代表取締委員会のアキマカ・サラキ議長はカルダリの景気動向について金融ジャーナリストらと会談した際、「この事態に対して強い不安と懸念を覚える」と述べたが、それ以上のことは語らなかった。ヒャショーダ社のアフトネン・オスモンCEOは会社幹部や労働者代表との会合で、アマーの行動は「星間秩序を不安定にする軽率なもの」という考えを示す一方、カルダリとアマーの同盟関係について踏みこむことは避けた。ライダイ社のアラコニ・イシャノヤCEOは「義勇兵戦争権限法にもとづく資源権益の解釈として明らかに正しい」と支持を表明しながらも、有人星系の恒星を操作することまで認められるかどうかは言及しようとしなかった。

ガレンテ連邦は恒星変成装置の起動をストレートに非難し、インナーサークル・ガレンテ代表のデヴァン・マレートは「占領地においてこのような形でトリグラヴィアン技術を実験することは無謀かつ完全に違法。何百万、もしかしたら何十億もの罪なき人々を危険な目に遭わせている」と強く批判した。現在のガレンテはアソウノン星系を軍事・外交上の最優先課題としているが、セレス・アガード大統領はアマー国境とミンマター国境をパトロールする部隊に最高レベルの警戒態勢を取るよう指示した。

インターバス社のアーコロジーと本社があるオーラフェー4

◆四大国代表がインターバス社役員会議から退席。同社の今後は先行き不透明に

ジェネシス、オーラフェー発 今日、オーラフェー4にあるインターバス社アーコロジーで臨時役員会議が開催された。ところが同社を共同創設した四大国の代表者らが退席してしまい、会議は混乱の内に幕を下ろした。

この会議はターナー星系において恒星変成装置が起動したこと、エグマ、バード星系の装置も起動が近いと思われることを受けて急きょ開催された。会議は非公開で行われたが、インターバス関係者によれば何一つ解決しないまま終わったという。インターバス社はニューエデンでもっともシェアの高い輸送・配送ネットワークであり、同社のサービスがアマー・ミンマター情勢を踏まえてどのように運営されるべきか、四大国の代表者たちの意見はまったく一致しなかった。

YC72年に設立されたインターバス社はアマー、カルダリ、ガレンテ、ミンマターによって共同経営されており、四大国が平和的に協力している例として称賛されてきた。インターバス社は四大国に直接所有され、各国は代表者を役員会議に派遣することでサービスを監督している。同社の使命は絶対中立を維持し、星団全体の貿易と経済インフラにとって無くてはならない輸送・配送サービスを公平に提供することだ。だが、このまま緊張が高まりつづければ、やがて制裁や国境封鎖が行われて国際的なサービスが不可能になるのではないかと危ぶまれている。

インターバス社のハウカッカ・プカラCEOはこうした懸念に応え、役員会議後の記者会見で次のように語った。
「移動の自由、商品・製品・サービスに対するアクセスの自由は安定したニューエデンを維持するうえで非常に重要です。意見の相違があるとはいえ、当社を創設した四大国はこうした自由を守ることの重要性を理解しています。今後どのような展開になろうと、私たちは互いに受け入れられる妥協点を見つけ出し、社会にとって必要不可欠なインターバスのサービスを継続することができると確信しています」

ガレンテとカルダリは軍事行動の規模を拡大している。ミンマターは人々に武器を取るよう呼びかけ、アマーも世論を騒然とさせる行動に出た。多くの人がこの先どうなるか分からないと感じており、インターバス社幹部もプカラの言葉では将来に対する不安を拭い去ることはできないと認めている。インターバス社と同社の極めて重要なサービスが今後どうなるのか、その答えを知るには時が経つのを待つしかないようだ。

カルダリが建設しているアソウノン星系の新ゲート

その他のニュース
・四大国が義勇兵に対する海軍艦の提供を拡大。紛争宙域ではカプセラの協力を得て新型艦をテスト
・SCCが市場のさらなる不安定化を警告…四大国間の紛争による航路寸断と工業資源の需要増加が見込まれる
・アマー軍がターナー2唯一の宇宙港を占拠。惑星上で密かに活動していた移動採掘業者たちが今後を懸念
・エグマ、バード星系でも恒星変成装置が起動する可能性。恐慌に見舞われたエグマ6とバード7は社会機能が麻痺して混乱状態
・エグマ、バード星系の有人惑星でパニック広がる…アマーが両星系を制圧しているため住民は脱出できず
・ガレンテ元老院はアマー・カルダリが「紛争宙域において軍国主義・帝国主義的な恐るべき行為」を行ったと非難
・ガレンテ海軍はプラシッドの民間軌道インフラに対して監査と徴用に備えるよう通知
・ガレンテ各地で平和を求めるデモ。アマーの「帝国主義」に抗議するとともに、自国がカルダリに対して自制するよう求める
・ガレンテ・カルダリがアソウノン星系に関するEDENCOMの調停を拒否。新ゲート建設計画によりトリグラヴィアン基地をめぐる謎は深まるばかり
・代表取締委員会は巨大企業の国防費負担増に合意。艦艇建造・改修計画の拡大も
・クーニッド王国の原材料輸出量が増加…クーニッド、アリディアからアマーの工業地帯へ向けて
・クーニッド海軍によると、この1年間はブラッドレイダーなどの過激派カルト組織の活動が大幅に減少した模様。チャーケイド処分後の対テロ活動の成果か
・アマター海軍がヘイマター・ディレリック方面の国境防衛部隊を強化。ケノバナラ要塞を補強するため5個懲罰大隊を派遣
・ガリスタス海賊団がアーデロン、オダミア星系を通過していたカルダリ海軍輸送船団を襲撃。大量の工作機械と窒素同位体燃料電池が奪われたとのこと
・ガレンテ警察機構はサーペンティス社が相当量の「軍用能力強化ブースター」をプラシッドへ密輸したと非難
・サンシャ国がアルセルボージャー・コンステレーションを襲撃。プラシッドの紛争宙域から逃れてきた大量の難民を巻きこんでパニック拡大
・EZA-FM星系のサッカー部族ステーションでエンジェルカルテルメンバーの死体見つかる…発見場所はスレイヴァーハウンド闘犬クラブの犬舎

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