インターバス社のハウカッカ・プカラCEOが死去、享年77歳
2022-10-11 スコープ、アルトン・ハヴェリ
ジェネシス、ユーライ発 インターバス社のハウカッカ・プカラCEOが77歳で亡くなった。プカラの死は早朝、突然のことだった。彼はユーライ3の邸宅で就寝中に心肺停止状態に陥ったと見られ、遺体は使用人によって発見された。
プカラはYC72年にインターバス社が創設されて以来、同社のCEOを務めていた。CONCORDの若き管理要員だったプカラは公共サービスに対する揺るぎない熱意を買われ、設立されたばかりのインターバス社のリーダーに任命された。同社は彼の在任中に大きく成長し、ニューエデン社会にとって無くてはならないサービスだと認識されるまでになった。プカラと共に働いてきた人々は突然の訃報を受けて、彼が「国家や信条で区別せず、ニューエデンのすべての人々に輸送サービスを提供する」というインターバス社の使命に尽くしてきたことを称えている。プカラにとってこの使命はしばしば人道にもとづくものだった。例えばYC110年に女帝ジャミル1世が奴隷解放令を出した際、プカラは社内から反対されたにもかかわらず、インターバス社がアマー宙域のミンマター人を無料で運ぶように手配した。
プカラの訃報に接した四大国政府はただちに哀悼の意を表した。ミンマター共和国のサンマター・マレアツ・シャコールは、「ニューエデンの人々は自由をひときわ忠実に守り続けてきた人物を失った。プカラ氏は人の弱みに付けこもうとせず平等を貫いたのだ。すべてのミンマター人が彼のことを記憶に刻むだろう」と公の場で発言。ガレンテ連邦のセレス・アガード大統領はプカラを「輸送業界の伝説」と呼び、「より開かれたニューエデンを目指す彼の情熱が人々に刺激を与えた」と述べた。カルダリ連合代表取締委員会はプカラの死を悼み、共同声明の中で「軽率な行動が多い時代に堅実な手腕を発揮した」と称えた。アマー帝国の女帝カティズ1世は「信念を持ち、その信念に適う生涯を送った人物」というやや控えめな言葉で評価した。
ハウカッカ・プカラには3人の子供がいる。長男のイルマリ・プカラはインターバス社の役員で、父親が死亡したときも一緒にユーライ3に滞在していた。現時点では遺族は公式声明を発表していない。
◆インターバス社役員会はアレクサンダー・デュカスを新CEOに指名
ジェネシス、オーラフェー発 インターバス社の将来が不安視されるなか、役員会は迅速にプカラの後継者を発表した。新たにCEOに就任するのはアレクサンダー・デュカス業務執行取締役だ。昨今の外交危機においてインターバス社がどのようにサービスを継続するか四大国は合意に漕ぎつけておらず、前途多難な状況でのCEO交代となった。プカラはこの交渉におけるキーマンだと考えられていたため、彼の死によって合意形成が不可能になったのではないかと危惧されている。
こうした懸念はあるものの、イルマリ・プカラは役員会を取りまとめて新CEOに信任票を投じた。デュカスはインターバス社の期待の星であり、進取の気性に富んだ考え方をすることに定評がある。プカラに代わってCEOとなったデュカスは次のような言葉で前任者が成し遂げてきたことを称賛した。
「インターバスという船が堅実な船長を求めるなら、ハウカッカ・プカラほどの適任者はいませんでした。彼は航路を外れることなく50年以上にわたって船を導いてきたのです。インターバスの基本理念に対する彼の献身は疑いようもありません。彼のような人物は二度と現れないでしょう」
インターバス社の将来について尋ねられたデュカスは自信をのぞかせた。
「インターバスはニューエデンの柱、一種の社会制度です。とはいえ、ニューエデンは変わりつつあり、当社もそれに合わせて変わらねばなりません。私の目にはインターバスの将来は明るく輝いて見えます。また、今日この場を借りてニューエデンのすべての人々と私の願いを共有したいと思います。冷静な判断が勝利を収め、私たちの大切な星団に平和が訪れることへの願いです。しかし現実がどうなろうと、当社は扉を閉ざしません。人々は制限されることなく移動しつづけますし、次々に生まれる新しいアイデアが紛争に妨げられることもありません。インターバスはこれからも移動の自由を提供しつづけます」
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