インターバス社、新会社「エバーモア」のもとで再出発
2022-10-13 スコープ、リナ・アンバー
◆インターバス社、新会社「エバーモア」のもとで再出発
ジェネシス、オーラフェー発 今日、インターバス社は同社が新しい親会社「エバーモア」のもとで再出発すると発表した。インターバス社の前CEOハウカッカ・プカラが亡くなってからわずか数日後、新たにCEOに就任したアレクサンダー・デュカスは会社を全面的に再構築することを宣言した。
インターバス社はニューエデンの人々と物品が制約なく移動できるようにすることを目指し、アマー、カルダリ、ガレンテ、ミンマターによって共同創設された官営企業だ。だが、今後は民間企業であるエバーモア社を過半数株主として新たな体制で運営されることになる。これまで各国はインターバス社を共同運営してきたが、紛争宙域や恒星変成装置をめぐって外交関係が悪化した結果、同社の今後について合意を得られない状況に陥っていた。今回エバーモア社の傘下に入ったことでインターバス社は半官半民企業になり、四大国の対立による膠着状態も解決の方向に向かった。
四大国の代表者らは共同声明を発表し、今回の措置によってインターバス社は不安定な時代でも「独立と中立」を守りつづけることができるだろうと述べ、事業再編を歓迎した。買収の詳細は明らかにされていないものの、エバーモア社はインターバス社の株を市場価格を大幅に上回る金額で購入したと噂されている。インターバス社に長年勤めた幹部たちは「四大国はインターバスを守るどころか戦費を稼ぐために売り払った」と非難し、複数名が職を辞した模様だ。
インターバス社のCEO、そしてエバーモア社の社長となったアレクサンダー・デュカスは、ニューエデン運送業界の担い手であるインターバスが事業再編によって「国際政治の制約から抜け出し、基本的な使命を超えて拡大できる」ようになると述べている。
◆企業買収と新会社設立で拡大するエバーモア社
ジェネシス、オーラフェー発 エバーモア社は運送業以外の分野に事業を拡大するため、ニューエデン各地の企業を多数買収すると明言している。インナーゾーン運送、ゼロGリサーチファーム、アダプティブ・プロビジョニング、ビロア・セックオプス、そして伝説的なクローニング企業のクロモーはエバーモア社の資金調達が終わり次第傘下に入る予定だ。各企業の取締役会は買収に応じる姿勢を見せており、準備はおよそ1か月程度で完了するものと見られている。
インターバス社は自社のみで活動してきたが、エバーモア社のポートフォリオはこれらの企業買収によって一気に多様化することになる。「エバーモアは単にインターバスをリブランドしただけの存在ではありません」とデュカス社長は言う。「エバーモアはニューエデンの人々をつなぐ新しい革新的なアプローチになります。インターバスは出発地と目的地がどこであろうと利用者に信頼できるサービスを提供してきましたが、政府の関与が足かせとなっていました。エバーモアはコンソーシアムから企業コングロマリットへ進化し、これまで実践してきた哲学をさらに一歩前進させます。私たちの使命はシンプルに『すべてのものをすべての人に届ける』ことです」
エバーモア社は既存企業を買収するだけでなく、いくつもの新会社を設立している。一般市民向けオーグメンテーション製造企業であるベリティエンハンスメント、クラウドコンピューティング企業のベイパーシー・テクノロジーズ、惑星レベルのニュースやエンターテイメントを星団全体に配信するインタープラネタリー・メディアネットワークなどだ。
デュカス社長はスコープの取材に対して次のように語った。
「昨今は暗い時代ですが、エバーモアが明るい明日への道を示します。私たちはより良い、より密接につながったニューエデンという夢を実現するために関係を強化しているところです。ぜひ皆さんも私たちの活動に加わってください。近日中にさらなる発表を行う予定です。エバーモアにとってこれは始まりに過ぎません」
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