速報: ターナー星系が異常恒星現象で大きな被害を受ける
2022-11-02 スコープ、レト・グロリアクス
メトロポリス、ターナー発 紛争宙域の只中にあるターナー星系が異常な恒星現象によって大きな被害を受けた。このところ不安定さを増していた恒星がついに限界点に達し、星系は放射線バーストとプラズマ波の嵐に襲われた。
恒星に近いターナー1は強烈な放射線とプラズマのために焦土と化し、大気も衝撃波によってはぎ取られ、焼けた石炭のような世界に変わってしまった。惑星上で生き残った者はいないのではないかと考えられており、数十万人から数百万人が犠牲になった可能性がある。ただし、避難を拒んだ遊動民の総数が分からないため正確な死亡者数を算出することはできない。
ターナー1軌道上の共和国議会ステーションはところどころ防護壁が歪み、表層部が広く損傷しているようだが、放射線とプラズマの嵐をなんとか耐え抜いた。死傷者が出たという情報が入っているものの、厳重に守られたステーション最奥部で多くが生き残ったようだ。
カプセラたちは異常恒星現象が迫っていると警告を受けたにもかかわらず恒星周辺に複数の構造物を設置し、放射線バーストとプラズマ波の複合効果ですべて破壊された。限界以上のシールド出力とその他の防御手段をもってしても凄まじい放射エネルギーと運動エネルギーの衝撃に耐えることができず、次々に機能を喪失して全壊したと見られている。
カプセラ艦も大きく損傷したものの、シールドと装甲が放射線バーストを減衰させたおかげで船体中枢を全損することだけは避けられたようだ。現時点ではアマー・ミンマター紛争宙域で大規模な戦闘が起きたという情報は入っておらず、星系外縁部のステーションが放射線バーストでどのような影響を受けたかも分かっていない。
アマー・ミンマター海軍は最高レベルの厳戒態勢を取っており、戦時と大差ない状況だ。外交官やCONCORD関係者らは限定戦争が全面戦争に転じることを避けるため、多国間コミュニケーションルートの構築を急いでいるものと思われる。