Posted by & filed under プレスリリース, ワールドニュース, 翻訳記事.

スコープニュース – ターナー星系、異常恒星現象の惨禍
2022-11-04

11月2日に起きたターナー星系の異常恒星現象は大きな被害を残しました。その余波はいまだ収まっていませんが、当日何が起きていたのか詳細が分かってきました。

恒星から最も近い位置にあったのは、実験によって恒星の不安定化を招いたとされているアマー帝国のプロトタイプ恒星変成装置でした。基幹要員は自ら志願して装置にとどまり、大惨事を回避するために最後の瞬間まで努力をつづけました。恒星の限界点が目前に迫り、すべての希望が失われたことが明らかになると、ゼル・クオシュ元帥は基幹要員たちに”帝国への献身と奉仕に感謝する”とねぎらいの言葉をかけ、彼らの魂を神に委ねました。

17時過ぎ、ターナー星系の恒星は不安定状態の「終末段階」を迎え、恒星変成装置は消滅。カプセラが恒星周辺に建設した複数の構造物も一瞬で破壊されました。

関係国とカプセラによる連携のおかげで、荒地惑星ターナー1の住民はほとんどが無事避難できました。この避難活動で重要な役割を果たしたのが、惑星軌道上に浮かんでいる共和国議会ステーションです。異常恒星現象が起きたときステーションにはわずかな人員しか残っておらず、彼らは一人でも多くの避難民を脱出させるために入出港管制を行っていました。ステーションは予備のシールドジェネレーターや動力を使って防御を固めましたが、残念ながら急ごしらえの防備ですべての放射線やプラズマを防ぐことはできず、二次爆発によって多くの設備を失い、火災も発生しました。しかし、シールドのおかげで深刻なダメージが外縁部に制限され、中心部はそれほど損壊しなかったため、ステーション奥深くに避難していた人々は大半が助かりました。

異常恒星現象の惨禍が最もよく分かるのがターナー1の地表です。恒星に一番近い惑星であるターナー1が凄まじいエネルギーに襲われることは明らかだったので、惑星住民の避難は最優先課題とされていました。惑星産業で働いていた入植者たちは安全な場所へ避難しましたが、一部の人々は避難を拒んで惑星に残りました。避難しなかった人々のほとんどは、現地で遊動生活を送りながら「免罪者」タヌク・グフランの教えに従っていたミンマター諸氏族です。ターナー1から最後に放送された奇妙な映像では、グフランが信徒たちに”星系を生まれ変わらせる霊的な力”を迎え入れるよう説いていました。現在のターナー1は強烈な放射線バーストとプラズマ波に焼かれ、かつての面影のない焦土と化しています。惑星上の生存者は今のところ発見されていません。

リスクについて何度も警告されていたにもかかわらず、多くのカプセラが異常恒星現象を目撃するために船と乗組員を重大な危険にさらしました。当然ながらこれらの船は放射線バーストによってひどいダメージを受け、シールドと装甲がまたたく間に崩壊、傷ついた船体中枢が完全に露出した状態になりました。ライバルが無防備になっていると知ったカプセラたちはこの機を逃さず攻撃しあい、相当数の船を喪失。宇宙空間における混沌とした戦いのために、ただでさえ悲劇的な日の死者数がさらに増えることになりました。

今回の異常恒星現象によりターナー星系が恒久的な影響を受けたことも分かってきました。局所的な時空環境が大きく変化し、不安定ワームホールが大幅に活発化したのです。目に見える被害は甚大ですが、天文学レベルの影響と比べれば表層的なものにすぎません。

ターナー星系での実験がこのような形で幕を下ろしたにもかかわらず、アマー帝国は恒星変成技術研究プロジェクトが成功したと宣言しました。不吉なことに、アマーは技術研究を次の段階に進めるために必要なデータをすべて入手したと確信しているようです。また、ターナー星系で大惨事が起きた結果、ミンマター軍の支配下にあるエグマ、バード星系の恒星変成装置にも注目が集まっています。ミンマター共和国がこのまま実験をつづけるのか、それとも停止を試みるのかが目下の問題ですが、いまだ答えは明らかになっていません。

スコープのアルトン・ハヴェリがお送りしました。

ニュースティッカー
・ガレンテ・ミンマターではターナー事件をめぐるデモと抗議活動がつづく
・部族会議がサンマター・マレアツ・シャコールの非常事態権限を拡大
・研究者によれば、ターナー星系の異常恒星現象の影響はいまだ安定していない
・「免罪者」グフランと彼を信奉していた遊動民がどうなったかは不明
・アマー帝国宰相が帝国保安局と聖テトリモン教団の縄張り争いを調停
・局所時空環境が「平衡状態に向かって変動」しているあいだ、不安定ワームホールの活動は流動的になる模様
・アスラン・ウル・クオシュ卿、ヘディオン星系滞在中のガレンテ学術関係者をアマーから追放
・クマター・アレク・ベリアルシュ、惑星マター第2防衛線の稼働と第3防衛線の稼働準備を指示
・EDENCOMのヴァルカニール司令官、恒星変成装置をめぐる紛争の外交的解決を再度促す
・アマー軍務省、タッシュムーコン軍管区に主力艦5個集団を移譲
・アガード大統領、プラシッドに戦時治安維持措置を適用。予備役を動員
・部族会議、アマーのさらなる敵対行為に備えた「予防措置」としてエグマ、バード星系からの疎開を強化
・ターナー星系に出現したトリグラヴィアンが恒星と恒星変成装置のデブリ雲を分析
・アマー宮廷侍従長がタヌー2の領事館でアリム・アーディシャパー卿、アラハ・サルム卿と会談
・共和国司法局がサーダン・ゼル・クオシュ元帥を最重要指名手配リストに追加
・ライダイ社とクーニッド王国が「特別科学プロジェクト」で協力するという文書が流出
・スカーコン部族レジスタンスを率いるイフリート将軍、指揮下の艦隊にエグマ、バード星系の避難民を支援するよう指示
・ヘディオン大学教学長が宗教評議会法廷に「バシロセファリー」の嘆願書を提出
・異常恒星現象発生後、ポクヴェンのEDENCOM偵察部隊は「トリグラヴィアンの活動が広い範囲で大規模かつ急速に増加」したことを確認
・巨大企業の警備部隊、カルダリ海軍の本国艦隊と国境艦隊を増強
・ミンマターが恒星変成技術研究でアマーを急追…フィルミア将軍は部族解放軍を称賛

Comments are closed.