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トリグラヴィアン技術をめぐる対立続くなか、カルダリ・アマーが新司令部建設に着手
2023-01-30 スコープ、リナ・アンバー

カルダリがオンナモン星系のキナッカ行きスターゲートの防備を強化

◆カルダリ連合がオンナモン星系の防備を強化。上級指揮官向けブリーフィングで新技術にも言及

ブラックライズ、オンナモン発 先週、カルダリ連合当局は連合プロテクトレイトのカプセラ義勇兵に向けて、オンナモン星系に「海軍・義勇軍合同司令部」を設置すると連絡した。カルダリ軍は新司令部を建設するために現地で軍事・輸送ネットワークの構築を進めている。

オンナモン星系がガレンテ・カルダリ紛争宙域の総司令部に指定されたのと時を同じくして、サンシャ国がアオキネン・コンステレーションを襲撃した。これにより工事は多少影響を受けたものの、スターゲートの防備強化と新ステーション建設準備は海軍の厳重な警備下で予定どおり進められた模様だ。サンシャ国はカルダリ軍の防衛線を破ろうと1週間ほど攻撃を続けたのち、アオキネン各地の惑星防衛部隊の激しい抵抗に遭って撤退した。

ヘイカ・トリゴ将軍はオンナモン星系の防備強化が順調に進んでいることに満足の意を示すとともに、オンナモン7軌道上のカルダリ海軍新ステーション建設にかける熱意を強調している。また、将軍は連合プロテクトレイトのカプセラ義勇兵が「連合支配宙域に対する連邦の攻撃を撃退」したことを取り上げ、彼らの「敢闘精神と技術」を称えた。さらに、これに関連する動きとして、トリゴ将軍はオンナモン星系の連合プロテクトレイトステーションで上級指揮官向けブリーフィングを実施。出席者は「軍全体」に伝達される予定の情報をひと足早く目にすることになった。

カルダリ軍内部からの証言によれば、ブリーフィングはアソウノン星系攻防戦、新スターゲート建設、トリグラヴィアン移送中継施設の調査に関する公式情報にもとづき、昨年のサースルド方面の戦いを総括したという。この戦いにはカプセラ義勇兵が多数参加し、カルダリがガレンテ連邦との紛争で優位に立つうえで極めて大きな役割を果たしたと考えられている。

特に興味深いのは、アソウノン星系を筆頭にサースルド・コンステレーション各地から回収されたトリグラヴィアン技術の追加情報が明らかにされたことだ。研究の結果、このトリグラヴィアン技術は「星間超光速移送を可能にする新技術であり、理論的には高精度かつ距離制限がない」ことが判明したらしい。ブリーフィングで触れられた情報は今後広い範囲に向けて公開されるものと思われる。

アソウノン星系からの噂では、アソウノン5のトリグラヴィアン施設は「惑星侵略技術」、もしくは人体レベルの精密移送を実験していたのではないかと言われている。EDENCOM、CONCORD、そしてカルダリ以外の国家はこの技術がもたらす脅威についてさまざまな懸念や疑いを表明し、アマー帝国のとある有力情報筋はスコープに対して次のようにコメントした。「彼らは技術全体の基本的な部分は理解できたが、細かい制御ができるレベルからはほど遠い。試験段階に移りたくても必要なリソースさえ開発できていない状況だ」

アマーがメハトゥア星系のラー行きスターゲートの防備を強化

◆アマーが恒星変成技術の研究を続行。カルダリにつづいてメハトゥア星系に新司令部を設置

ディボイド、メハトゥア発 サーダン・ゼル・クオシュ元帥は「戦略的に極めて重要な技術を実用化するため、恒星変成技術の研究をつづける」と述べ、アマーの決意を改めて強調した。ゼル・クオシュ元帥は「反乱地域(アマーがミンマターを自国の一部とみなす時の呼び名)鎮撫作戦」の最高司令官に任命されている。アマーがトリグラヴィアン戦争で鹵獲した恒星変成装置をもとに紛争宙域にプロトタイプを建設した際も、元帥は実験を先頭に立って推し進めた。

宮廷政治に詳しい人々は、熱心な「勤皇派」であるサーダン・ゼル・クオシュ元帥は女帝カティズ1世の代理人として動いており、昨今の政治的な動きにはアーディシャパー家とサルム家を帝国中央の軍事政策に従わせようとする意図が込められているのだと指摘する。ゼル・クオシュ元帥は帝国海軍司令部と、強い影響力を持つ軍務省を味方につけているが、「反乱地域」における指揮権は本来であればアーディシャパー軍管区・サルム軍管区に属しており、両陣営のあいだでは主導権争いが繰り広げられているようだ。

こうした権力闘争をよそに、カドール家とコルアゾール家は内政、経済、外交に力をそそぎ、カティズ1世の出身家であるタッシュムーコン家も「女帝陛下の御意のままに」貿易・外交政策を実施しているという。一方、予測不可能な行動に出ることの多いクーニッド家はYC123年の徹底的な粛清を経て、現在は経済、科学、軍事を立て直している最中だと見られている。クーニッド王国の粛清は異端者やカルト信者を標的とした「十字軍」として始められたものの、クーニッド3世の統治に抵抗する新興勢力を一掃する役割も果たした。

メハトゥア星系で連合艦隊司令部設立式典に出席したサーダン・ゼル・クオシュ元帥は、第24次帝国十字軍のカプセラ義勇兵について次のような言葉で改めて称賛した。
「彼らは神聖アマーを守るために精力的に活動している。異端、テロリズム、そしてシャコール政権という根源的な悪によってあまりにも長く荒廃してきた地に帝座の慧光をもたらさんとしているのだ」

ゼル・クオシュ元帥はターナー事件の余波と、エグマ、バード星系で奪取されたプロトタイプ恒星変成装置にも言及。アマーの「成果」を自画自賛する一方で、ミンマターの対応を嘲笑した。

「ターナー星系における作戦が最上の結末を迎えなかったことは間違いないが、我々が恒星変成技術を制御しようと試み、局所的な時空間トポロジーの変異という一定の目標を達成した事実に変わりはない。人間の手によって行われる以上、最初の一歩が不完全なものとなるのはやむをえない。帝国は今回の経験から学び、この力を発展させるために励みつづける決意である。ところがミンマターときたら、なりふり構わぬ武力という不実なやり方で施設を奪いとった挙句、怖気づいて実験を止めることしかできなかった。まったく哀れな話だが、これは我々がかねてより抱いている考えを改めて確信させてくれた。神聖アマーは勝利を収め、女帝陛下と神のためにあまねく星々を教化するであろう、と」

メハトゥア星系にあるアマーの恒星変成技術研究施設

◆トリグラヴィアン技術の研究をつづけるアマー・カルダリ…外交関係者は警戒と軽蔑の念を露わに

ジェネシス、ユーライ発 CONCORDインナーサークルのセリ・オコナヤ総裁が、軍事活動の活発化と「カルダリ連合ならびにアマー帝国による明らかに全面戦争を志向した行動」に「深い懸念」を表明した。オコナヤ総裁はCONCORDの最高意思決定機関であるインナーサークルで議長を務め、CONCORDの組織としての意見も代弁している。総裁はさらに、「偉大な両国が自らの行動を考え直してくれることを願う。このままでは連合と帝国は破滅的な結末に向かって突き進み、世界全体を巻き添えにするのではないかと恐れている」とも述べた。

先週末のインナーサークルの会合のあと、オコナヤ総裁はユーライ8軌道上のインナーサークル本部で記者会見を開いた。会見にはガレンテ連邦のデヴァン・マレート代表とミンマター共和国のケイタン・ユン代表、そして珍しいことに意識思考学会の上級メンターであるマツィ・ライシュも同席した。メンター・ライシュが公の場に姿を見せることは滅多になく、発言することはさらに少ない。だが、今回は「私たちはターナーで何が起きたのかを目にした。同様の出来事はふたたび起きる可能性がある」と述べ、特定の国家がトリグラヴィアン技術を大規模利用することの危険性を示唆。こうした研究開発はCONCORDを通じ、星間社会が協力して行うべきだと呼びかけた。

マレート代表は意識思考学会の立場に「良識がある」と認めながらも、「平和を実現するために進んで技術を共有するというのはもはや過去のやり方だ。今回のような問題の解決につながる望みは薄い」と懐疑的な見方を示した。さらに「トリグラヴィアン技術をめぐって力の均衡が取れていない状況には、かつてないほど破壊的な紛争を引き起こすリスクがある。これは疑いようもない事実だ。連邦はこの不均衡を正すためにあらゆる必要な措置を講じるだろう」と付け加え、ガレンテの立場をより明確に示した。

ケイタン・ユン代表はアマーが恒星変成技術の開発を継続すると宣言したことに強く反発した。
「我々は何世紀にもわたり、アマー帝国の二枚舌と道理を無視した魔術的思考に付き合ってきた。しかし、カティズ統治下のアマーが我々の想像以上にいびつで腐敗した国家になっていることがはっきりした。カティズはビジネスセンスや合理主義といった評判で表面を取りつくろい、長年にわたって異常な野心を隠しつづけてきた人物だ。このような好戦的な拡張主義者たちが実権を握り、帝国が狂った力の幻想におぼれている間は平和などありえない」

ユン代表はさらに次のように続けた。
「はっきり言っておく。ミンマター共和国は人民の生存と、伝統的かつ正当な領土の一体性を確保するために行動する。どんな代償を払おうと、どれほど長い戦いになろうともだ。カルダリの人々にも警告させてもらおう…アマーがあなた方の友人ではないことは十分ご存知だろうが、そもそもあなた方の味方ですらないのだ。彼らは自分たちの目的に必要になった途端、あなた方に牙を剥くだろう。ターナーの一件は帝国の途方もない野望を明らかにし、彼らには血も涙もないことを浮き彫りにした。これはカルダリにとっても見過ごすことのできないサインのはずだ」

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