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ギャラクティック・アワー ニュースダイジェスト: シップキャスター技術の存在が明らかに…新たな恒星変成装置と司令部も
2023-02-08 スコープ、レト・グロリアクス

ニューエデン各地で新たな軍事司令部が設置されている。アマーは次の恒星変成装置を建てはじめ、カルダリでは「シップキャスター技術」という新技術まで登場した。「レト・グロリアクスのギャラクティック・アワー」が世界各地のニュースをお届けする。

ユーライ星系のEDENCOM恒星観測施設

◆CONCORD/EDENCOM合同タスクフォースから「シップキャスター技術」研究プロジェクトの報告書が流出

ジェネシス、ユーライ発 カルダリ連合の「シップキャスター技術」研究プロジェクトに関するCONCORD/EDENCOM合同タスクフォースの秘密報告書が流出し、このところ厳しい視線にさらされている両組織が新たな論争と混乱に見舞われている。報告書はCONCORDのAG12機関とEDENCOMの恒星観測局が作成したもので、アソウノン星系においてEDENCOM秘密基地とトリグラヴィアン施設を発見したカルダリがどのような技術開発を進めているのか「特定」する取り組みがまとめられていた。

流出した報告書のもっとも衝撃的な記述は次の部分だろう。
「カルダリ連合の技術者は重要なトリグラヴィアン技術の実用化に向けて大きく前進している。この技術は距離的制約を受けることなく物体を展開でき、その精度はピンポイントになる可能性を秘めている。カルダリの研究プログラムは惑星の重力井戸を原因とする大きな障害を克服できておらず、問題は短期間で解決しそうにない。しかし我々としては、カルダリは宇宙船のような比較的大きな物体を、サイノシュラルジャマーなどのジャンプ阻止手段の影響を受けることなく、星間レベルの距離で特定位置に投射する理論を十分に習得したと判断する。カルダリはこの研究対象を『星間シップキャスター』と呼んでいる」

報告書はアソウノン5軌道上に浮かぶEDENCOM秘密基地の過去と、同惑星のトリグラヴィアン施設から技術を回収しようとした作戦についても説明している。事件の概略によると、トリグラヴィアン施設への監視・侵入を試みたEDENCOMは「激しい攻撃」を受けたようだ。だが、これに対するEDENCOMの反撃が何らかの星系レベルの事象を引き起こしたらしく、両陣営とも満足に活動できなくなり、EDENCOMは撤退、トリグラヴィアンもほとんどの部隊を離脱させたという。

報告書によれば、カルダリ軍は紛争と異常現象の報告を受けてアソウノン星系に関心を向け、混乱に乗じて「EDENCOMの資産とデータを奪取」。この情報をもとにサースルド方面の作戦を開始し、トリグラヴィアン移送中継施設からのデータ回収を成功させたとしている。他の注目すべき内容としては、通商保護委員会のAG12機関(星間技術共有監査・査察部)は「懸念されている技術分野についてカルダリ連合からのデータ入手と研究進捗状況の特定を容易にするため」、DEDのWRITS(星間技術共有規制執行部隊)の工作員を使ったという記述がある。

WRITSの工作員が「EDENCOMの協働プロトコルを装い、連合の極めて重要な研究プログラムに対してスパイ行為を働いた」ことが分かり、カルダリ代表取締委員会は強烈に反発。CONCORDに対して正式に抗議を申し入れた。委員会はさらに、WRITSが所有していることが確認できるカルダリ国内の全資産について、「連合に登録されたあらゆる企業が代表取締委員会の代理人として」差し押さえることを認めるようカルダリ企業裁判所に指示した。

アマーが新たな恒星変成装置を設置していると言われているオハイド星系の建設現場

◆アマー帝国、オハイド星系で新たな恒星変成装置を建設か

ディボイド、オハイド発 オハイド星系から寄せられた情報によると、アマー帝国は現地のA0型青色恒星に新たな恒星変成装置を建設している。同星系はアマー・ミンマター紛争宙域や最近新設された「ダミウス連合艦隊群」の司令部にほど近い。アマーはエグマ、バード、ターナー星系で恒星変成技術を実験し、特にターナー星系では大惨事を招いたにもかかわらず、この技術をなんとしても実用化・軍事転用しようと執念を燃やしている。

皇家のあいだでは先行きが心配されているようだが、女帝カティズ1世はサーダン・ゼル・クオシュ元帥による恒星変成装置と周辺技術の研究を全面的に支持しているという。アマーはトリグラヴィアン戦争終結後、特にアーシャト星系で鹵獲した恒星変成装置をリバースエンジニアリングして以来、その政策を著しく攻撃的な方針に転換し、拡張主義的なレトリックを着実に強めている。

カティズ1世はかつては典型的な「神の寛容」戦略を取っていると思われていた。だが、もはや女帝は重商主義的な外交志向の指導者ではない。現在の彼女は「大教化」を加速するために艦隊再建、兵員増強、戦力整備を推し進めた帝国を率いているのだ。広大な領地の防衛責任を負わされている六皇家当主は帝国中央ほど攻撃的ではないが、彼らが提供する戦力のおかげで軍務省は活気を取り戻した。軍務省は新たな勅令を受け、ニューエデン最大の帝国を維持・拡大できる軍隊を実現するべく邁進している。

ミンマター共和国はオハイド星系の恒星変成装置に関するニュースを驚くほど冷静に受け止め、インナーサークル・ミンマター代表のケイタン・ユンは「予測できたことだ。実際、前々からこうなるだろうと予測していた」と述べた。惑星マターのグレートキャラバンサライでは、ミンマター指導部が「火をもって火を制する」ことを決断し、独自に恒星変成装置の建設に乗り出そうとしているという噂が根強く流れている。

ガレンテ連邦大統領府はアガード政権の見解として、「ニューエデン全体に破滅的な結果をもたらすと証明された技術を、さらに実験しようとする無謀な行動を遺憾に思う」との声明を発表した。カルダリ連合は今回の件に対して沈黙を守っているが、有力情報筋によれば、八大企業の一部はアマーにおける拡張主義の高まりに「大きな懸念」を抱いているようだ。

ミンマターがアモ星系のレスブロコ行きスターゲートに設置した防衛施設

◆ミンマターがアモ星系の防備を強化、領土解放統合司令部の本部を設置

メトロポリス、アモ発 ミンマター共和国がアモ星系の防備をさらに強化中だ。カント・フィルミア将軍の領土解放統合司令部も本部を拡大し、紛争宙域のミンマター領からアマー軍を撃退する戦いにおいてこれまで以上に大きな役割を果たすことになる。

フィルミア将軍は部族会議とサンマター・マレアツ・シャコールを代表して安全保障に関する命令を発し、アモ星系におけるゲート防備強化とミンマター海軍ステーション新設の重要性を強調。さらに共和国保安局には「特別任務」の実施、共和国司法局には「解放巡航」の組織化という役割を与えた。かねてより管轄争いを繰り広げている治安機関は、この命令を受けて紛争宙域や近隣のハイセキュリティ宙域でさらに活動量を増やす可能性があり、ミンマターが部族共和国の理想に反する「警察国家」になってしまうのではないかという懸念が高まっている。

ミンマターに軍国主義・権威主義が忍び寄っているのではと心配されている原因は他にもある。共和国各地の地域防衛隊に捜索・拘束といった警察権が認められたほか、部族会議の取り決めにより「ミンマター人民に対する罪」は共和国コマンドと海軍司令部が管理する軍事裁判所で裁かれることになったのだ。

これらの承認や命令の是非をめぐり、部族会議は反対派のセビエスター、サッカー、ヴェロキュオール部族と賛成派のブルートー、クルースアル、ネファンター、スタークマニール部族に二分されたという。議論は白熱したと伝えられており、噂されている恒星変成技術の利用も話し合われた可能性があるが、詳細のほとんどは機密扱いで明らかにされていない。

ただし、セビエスター部族のアカッサ・ミデュラー部族長は新政策を成立させた多数派工作について厳しいコメントを発している。
「シャコールには分かっていました。氏族や部族の主権を大きく侵害する政策に関しては、サッカー部族の支持を得ることはできないと。だから彼はスタークマニールを買収し、ネファンターを脅したのです。私たちは自らの自由をかけてアマーと戦っていますが、共和国をあらゆるレベルでコントロールしようと執拗に試みつづけているシャコールは、ある意味アマーよりも危険な存在です」

ガレンテがインタキ星系のべエイ行きスターゲートに設置した防衛施設

◆ガレンテによるインタキ星系の軍事拠点化が進行。セキュリティステータス上昇、カプセラ構造物の係留禁止

プラシッド、インタキ発 ガレンテ連邦当局はインタキ星系の軍事拠点化をさらに進める一方、セキュリティステータスの引き上げ、カプセラ構造物の新規係留禁止といった措置を講じた。第15特別合同任務部隊の司令官であるフォリアーナ・レベリ中将は、セレス・アガード大統領と連邦軍事委員会に代わって連邦指令を発表し、インタキ星系とその周辺星系が「ヴィリエット特別軍事区域」に編入されたことを宣言している。

アガード大統領と連邦軍事委員会が命じたこの措置にインタキ議会が同意し、ガレンテ元老院が承認を与えた結果、インタキに連邦構成体の地位を付与している各種条約の緊急事態条項が法的に発動した。連邦管理局はインタキ星系のセキュリティステータスを0.3に引き上げてCONCORDに登録するとともに、ユーライ協定の例外規定を適用し、現地においてカプセラが新たな構造物を建設することを制限した。

アガード政権はこうした動きについて、「インタキ星系をカルダリによる占領という危険性から完全に保護しつつ、紛争宙域のガレンテ領の完全解放を目指す取り組みをより広範に実施するため」だと主張し、従来の立場を繰り返している。ガレンテ軍によるインタキ星系の軍事拠点化を批判する人々は、インタキプライム選出のスヴィオ・ベラロン元老院議員が言うように、この措置は「連邦憲法と連邦のあらゆる原則によって保障された、インタキ人の根本的主権に対する明白かつ継続的侵害」だと主張している。

アガード大統領の支持者はインタキ議会が今回の措置に同意していると指摘し、ファロン・シュウ議員も次のような言葉でベラロン議員の訴えを一蹴した。
「インタキ人が考えなければならないのはインタキのことだけ、連邦主義はどうでもよいというわけだ。ベラロンは靴職人だな。中央連邦主義という靴を履かなければならなくなるたび、きつくてたまらんと言って靴のサイズを変えようとする」
これに対し、ベラロン議員はインタキ議会のメンバーがガレンテ軍から嫌がらせや圧力を受けたり、拘束されたりしたという報告を引用して反論した。
「シュウ議員はあらゆるタイプの権威主義を庇うことを仕事にしているではないか。本国で政治資金を貰っているサンドゥ階級だけではない。アガードに可愛がられているおかげで、軍需産業の金が詰まった哺乳瓶を人目もはばからずしゃぶっていられるのだ」

元老院議員を始めとする政治家たちが賛否両論のインタキ政策について議論を戦わせる一方で、市民たちもこの問題をめぐって抗議デモ、あるいは対抗デモを繰り広げている。インタキプライムのレノイカでは軍事拠点化に反対する大規模集会が開かれたが、参加者が複数の連邦政府施設を損壊したとして連邦海兵隊に解散させられた。インタキ自治主義の活動家らは集会に潜入した工作員が破壊行為を煽ったのだと主張する一方で、自分たちは自由インタキ軍とのつながりはないと釈明せざるをえない状況に追い込まれている。自由インタキ軍は連邦軍や情報機関関係者への襲撃について犯行声明を出したこともある過激派組織で、インタキはガレンテ連邦から完全独立すべきだと公然と主張している。

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