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カルダリ連合とミンマター共和国、近日中に新条約締結か
2023-03-08 スコープ、リナ・アンバー

アイラケン星系のヒャショーダ社ステーション

◆カルダリ連合とミンマター共和国、近日中に新条約締結か

ザ・フォージ、アイラケン発 カルダリ連合とミンマター共和国は「カルダリ・ミンマター安全保障協力会議」と銘打った会合を開催しており、代表団はその成果として「新たな条約」に合意しようとしている模様だ。両国はアイラケン星系のヒャショーダ社ステーションで開催された会合に異例の人数を派遣しており、代表団にはヒャショーダ社のアフトネン・オスモンCEOや共和国議会のトビアス・イフリート首相も含まれている。

カルダリ・ミンマターの代表団に多くの高官が参加していたため、いつ起きてもおかしくない外交再編に向けた交渉が行われるのではないかと観測筋は当初から予測していた。現地から届いている情報によれば不可侵条約に似た協定が結ばれる可能性が高いが、両国のガレンテ連邦とアマー帝国との同盟関係、そして近年の代理紛争の歴史を反映して一定の制約が設けられるものと思われる。

代表取締委員会のアキマカ・サラキ議長率いるカルダリと、部族会議のサンマター・マレアツ・シャコール率いるミンマターはどちらも独立と行動の自由に強いこだわりを持っており、こうした特色のおかげで交渉が難航する場面もあったようだ。技術共有という点では両国ともかなり慎重で、最近獲得したトリグラヴィアン技術を取引材料にすることに消極的な姿勢を取っている。今回の会合はどちらかというと、ユーライ合意・ユーライ協定にもとづいて国境線の合意を取りつけ、互いの権利・主権を承認することに重点を置いている。

カルダリ・ミンマターの世論は安全保障協力会議におおむね肯定的な反応を示しており、カルダリとミンマターが戦わなければならない本当の理由など無かったのだというのが両国民の一般的な感覚だ。ニューカルダリプライムのランドフォール神社周辺の公園を散歩していたウィルコミ重工業の核融合技術者は、カルダリ市民の思いを次のように語った。
「そうですねえ、なんというか、私たちは昔から奴隷制に反対してましたし、ミンマターから何か良くないことをされたわけでもありませんし。彼らに銃を撃つよりも彼らに銃を売るほうがよっぽどいいでしょう」

ガレンテに大蜂起で受けた借りを返さなければならなかったのは事実だが、そんなのはとっくに返し終わっている。マターシティの商業エリアで商売を営むヴェロキュオール人の店主はそう語る。
「連邦の連中を良く思ったことなんて一度もないよ。奴らが俺たちの『光』にあんな仕打ちをしてからはなおさらだ。あの…どこだっけ? コラレレ? で俺たちを裏切るようなことまでしたじゃないか。あいつらは裏切り者のロクデナシだ」(訳注: ここで言及されているのは「コラレレ」ではなく「コレリ」事件。「マターの光」と呼ばれたカリン・ミデュラー元首相がガレンテ領で殺害され、ミンマター艦隊が犯人引き渡しを求めてコレリ星系に侵入。ガレンテ海軍に迎撃された)

パターとニューカルダリプライムから届いた最新情報によれば、カルダリ・ミンマターの代表団はそれぞれ部族会議と代表取締委員会との最終交渉を行うため、相手国の母星に向かう準備をしているとのことだ。

軍務省ステーションの近くに設置されているパシャナイ爆破事件の記念碑

◆パシャナイ星系でアマー帝国とガレンテ連邦の外交団が会談

ジェネシス、パシャナイ発 アマー帝国とガレンテ連邦の外交団がパシャナイ星系で会談しているとアマー公共ニュースが報じた。報道によれば会談の場はパシャナイ3第9衛星のACNステーションで、セレス・アガード大統領が個人的な特使として派遣したワヤキ・カヤラ議員を皇家当主のエルシリア・コルアゾール女侯が自らもてなしているという。

ACNによれば、女帝カティズ1世は「ミンマター共和国からカルダリ連合への申し入れが帝国と連邦に与える影響」を協議するため、アガード大統領と直々に話し合った。カヤラ議員がガレンテ代表団のリーダーを務めているという事実は、アガード大統領がガレンテ・アマー関係を一定レベルに保とうと努めていること、ひいてはカルダリ・ミンマターが外交関係を見直す可能性を十分深刻に受け止めていることを意味している。

アマーの外交・メディア戦略を分析しているアナリストたちは、帝国がこの会談を大々的に宣伝し、しかもACNステーションを会場に選んだことから、自分たちがある程度有利な立場で交渉に臨んでいると考えているのだろうと見ている。トリグラヴィアン戦争終結後、ミンマターとの国境紛争に皇家が所有する部隊やカプセラ義勇兵が充てられる一方、帝国軍は女帝カティズ1世の産業・軍事政策のもとで損失を回復し、かなりの戦力増強を実現した。

また、アマーは他国に先んじてトリグラヴィアンの恒星変成技術を入手しており、その研究はターナー星系の大災害を引き起こしたのち大きく前進したと考えられている。ガレンテは対照的に、他国が回収したような恒星・時空操作技術にまったくアクセスできず出遅れたままだ。さらに、昨年ガレンテは治安改善を掲げて海軍を出動させ、ガレンテ・カルダリ紛争宙域の一部を制圧した。この大規模な軍事行動は現在も続いているが、インタキ星系などプラシッドの11星系を占領したために防衛すべき領域がかなり広がっている。

ガレンテメディアのあいだでは、カルダリ・ミンマターが現在交渉中の条約を締結した場合、アガード政権は現在のミンマターとの軍事同盟にもとづく義務を一切免除されると見なしているのではないかという憶測が広がっている。対するアマーの政治的シグナルもとても積極的とは言えず、ある皇宮観測筋は「カルダリ・ガレンテ紛争宙域に対する無関心さは冷ややかさを感じるほど」だと語っている。

ただし、アマー政治に詳しい人間が全員同じ意見ではない。あるアナリストは次のような評価を下している。
「カルダリ・ガレンテ紛争宙域に対する帝国の方針はむしろ意図的な無反応として見事だと言うべきです。彼らは連邦によるインタキ侵攻を目にしておきながら、抗議すべきことは何もない、今回の会談は単に連邦が良識を見せたに過ぎないという態度を取りました。その結果、状況によっては帝国海軍全軍を『反乱地域』の一角にぶつけるという選択肢も議論できるようになったのですから」
このアナリストはまた、パシャナイ星系での会談がYC112年にミンマターテロリストに爆破された軍務省ステーション近くで開催されたことの象徴性を指摘し、外交・宣伝キャンペーンとしては「あらゆる点で古典的なアマーの手法」だと示唆した。

メハトゥア星系に築かれたアマー海軍の軍港。迎え入れるべき艦隊の到着を待っている

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