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ワームホールの神、ボブ

by Incindir Mauser 2013-08-27 23:01

私はこの機会を通じ、ワームホールの神ボブについての文化的現象を説明したいと思います。
おっと、これは往年の悪名高きBoBとは何の関係もありませんよ。ボブはワームホールで活動するカプセラたちの間で人気を得た、実に独特な準宗教的存在です。
ボブはジョークであると同時に、実に真面目な命題でもあります。

献身的な信者にとって、ボブの真髄は創造よりも、否定できない真実を啓示するという点にあります。

戦闘の相手を、あるいは補給に便利な既知宙域への出口を求め、崩壊しつつあるワームホールを8時間かそこら飛び回ったとき、彼の啓示は痛いほど明らかになります。ワームホールが崩壊する時に耳をすませば、ボブは幻影を見せ、James 315の特集記事と同じくらい長い予言を授けると言われています。

ボブは全てを受け入れます。あらゆる事象に対する賞賛と非難を受け止めます。多額のiskをもたらすサルベージから、待ち伏せによって失われる数十億iskまで、全てです。
ワームホール宙域の混沌とした自然環境のように、ボブは彼を崇拝するカプセラの喜びと苦しみに対して関心を示しません。
彼の正確な性質に関しては、カプセラの運命を決めるために賽を投げる超自然的な神だと言う人もいます。
ボブは「彼」ではなく、というより神ですらなく、ブレイムストン星系のステージで日銭を稼ぐガレンテ人の服装倒錯者だと言う人もいます。

奇妙で恐ろしいものとしては、ボブはタロカン文明が残したイタズラ好きな人工知能だという話もあります。
カプセラを侵食した微細なナノマシンが、鮮やかな幻覚、誇大妄想、緩みきった財布の紐、狂おしいまでに攻撃的な装備をもたらし、ボブとして知られている狂気めいた気まぐれな存在への断固とした献身を求めてくるのです。

このナノマシン説を裏付ける証拠を掴んだと主張していたのは、貧しさのためにlowで唐辛子フレーク入り聖遺物箱を売って回っている、誠実で騙されやすい変な奴でした…。

ボブへの信仰

ワームホールの神ボブをめぐる儀式や細則は、彼に従う信徒たちと同じくらい広範かつ多様な内容を擁しています。
全宗派の微妙な違いを書き留めておこうとすれば恐ろしく退屈で面倒なことになるでしょう。
あえて言っておくと、教義はワームホールの含鉄フラーレンガスのように緩く、漠然としたものです。

しかし、誰もが同意する点もいくつかあります。

ボブは戦いを愛します。これは必ずしも「グッドファイト」である必要はありません。(グッドファイトが無いわけではありませんが)
彼は何でもいいから戦いたいという意思を高く評価し、限度を知らぬ侵略、断固とした暴力を好むとされています。
ボブはスピード狂で、大爆発にうっとりと見惚れ、反射とか光沢とか光り物に目がないとも言われています。
そのため、信徒たちはボブの機嫌をとろうとして、いつも高価な船を同じくらい高価なモジュールで飾りたてるという綺羅びやかな努力に精を出すのです。

誰かがツキが落ちたと感じることがあったとしたら、それはボブの不興を買ったのです。
教義は不幸が続いたときは生け贄を捧げてボブをなだめるようにと語っています。
しゃっくり治療法にも似たボブの怒りの静め方を教えておきますと、方法は色々あるのですが、基本的に本人以外の皆に娯楽を供することです。
最も一般的な生け贄の捧げ方は、恒星から0kmの位置でシャトルを自爆させるというものです。ボブの許しを請う人間が拠点としている星系で行うのがよいでしょう。事情通によると、このときシャトルのカーゴはエキゾチックダンサー、弾薬、麻薬、そしてクァフェでいっぱいにしておかなければならないそうです。認める声はほとんどありませんが、多くのカプセラがこういったカーゴの中身を少しばかり失敬し、かのカリギュラ帝も赤面するような乱痴気騒ぎを繰り広げています。

より進取の気性に富む大胆なカプセラは、己の罪を償うために更に積極的な手段をとることもあります。
すなわち、敵対的なワームホールを探し出し、ローカルで大声で叫んで自分の存在を知らせ、誰でも望む者と死ぬまで戦うことを宣言するのです。この手段をとった者はほぼ間違いなく悲惨な最期を遂げますが、船はあえて役に立たない装備を身につけていたり、ボブやcorpの仲間を楽しませるような愉快なキルメールを手に入れられるよう趣向を凝らすのが一般的です。

そして最後の1つにして最も奇妙な方法が「POSガン切腹」と称される儀式的な自殺です。
ここにボブの怒りに気づく気配すらない致命的にどうしようもない人々がいるとしましょう。
ボブの怒りを知らぬ彼らは誰かが支配している衛星へ自らワープしていきますから、あとはPOSバッテリーに任せておけば予想通りの愉快な結果がもたらされます。

ボブは実践的ジョークと社会奉仕活動も高く評価しています。
つまり、誰かの輸送船を沈め、積荷を盗み、その場から立ち去るだけでは不十分です。不十分というより無礼、無作法と言ってもいいでしょう。用務員を集めてきて、コンテナの中にいくばくかのゴミとともに残していくくらいのことはすべきです。
もちろんタダでとは言いません。この不潔なコンテナの所有者には清掃費を請求するのが礼儀作法に適ったやり方です。

他にも特に高価な船で飛んでいるパイロットへのランサムを必要とする、奇矯な儀式が存在します。
この儀式は売ったり買ったりできるものではありません。iskで実現させるのは難しい儀式です。
不幸な魂に歌を唄うよう強いることによってのみ、この儀式は成就します。
犠牲者は歌声次第で速やかに解放されるかもしれませんし、いたぶられてから放されるかもしれませんし、結局は沈められるかもしれません。
何故こんなことをするのかって? 「ボブが望んでいるから」ですよ!
ボブは犠牲者の心の傷を楽しむのです。画用紙に紫色のクレヨンで描かれたボブの言葉は、「傷跡は物語を彩るタトゥー…」と告げています。
なお、この言葉の残りの部分は適当に描かれたポニーとラメ入り接着剤、茹でられていないパスタを組み合わせたゲイリー・ビジーの似顔絵のようなもので隠されていて読めません。

ボブの信徒たちは他人の資産を破壊することに大きな喜びを感じます。
とはいえ、共通の敵が現れた場合…典型的な例としては、「ワームホールの田舎者」の上前をはねるのは「易しい」と考えている傲慢なnullアライアンス…所属を異にする気難し屋のワームホール住人は団結し、災難に見舞われた仲間を助けにいきます。

6月の最初に起きたRAZORによるTRECIの本拠地星系への侵攻が良い例です。
彼らの作戦自体はかなり巧妙なもので、RAZORはTRECI内部に潜入し、資産を盗んでタワーを折ることで本拠地を壊滅させようとしました。しかし主要なワームホールPvPcorpが集結し、異教徒へ逆撃をくわえ、RAZORのCV2隻とレベレーション、モロスに対して颯爽とボブの正義を見せつけたのです。nullの異教徒は激しく積極的な反撃で懲らしめられ、自分たちの船を自沈させた後、大規模サーバー障害をきっかけにして撤退しました。
ボブは他所者に親切にしませんし、ボブの信徒たちも同様です。

ボブを代表する聖職者

ところで、誰がボブの教会を率いているのでしょうか?
私の知る限り…誰もその任についていません。しかし、全員がその任を担っているとも言えます。

ボブは献身的な信徒たちのため、リーダーシップという微妙な問題に対して最も簡単な解決方法をとり、各々の好きなように大げさな肩書きを名乗らせてきました。
人々はしばしば我こそが教皇なのだと主張します。大声で。
彼らは自分より強大な、より偉そうな肩書きを名乗る人間を片っ端から異端宣告し、ボブの怒りを買うだろうと宣言します。
その後、怒りのままにお互いを追いつめあい、正義の砲撃で宗教的な意見の相違を解決するのが通例です。

どこかの砲撃の残り火のなか、ワームホール宙域の仄暗い一角で…ボブは微笑んでいるのです。

 

元記事 https://www.themittani.com/features/bob-god-wormholes


訳者より

BOB…ボブはワームホールで何かが起こるとしばしば引き合いに出される不思議な存在です。

一体その起源がどこにあるのか見当がつきませんが、今ではかなり広く普及している概念となっています。

CCPもちょくちょく使う半公認ネタで、キャロライン・スターを報じるニュース映像ではボブの降臨ではないかと言われたり、

先日実装されたイージスのパッチノートではワームホールの仕様変更はボブの宣託によるものとされています。

ワームホールへお出かけの際はクァフェの1杯でも捧げてみてはいかかでしょうか。気まぐれな加護が得られるかもしれません。

 

*本記事の訳出精度は決して高いものとはいえません。誤訳、誤読が含まれていた場合はご寛恕ください*

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